予定通りに事が進んだとしたら、私は今頃、夫を精神病院へ入院させて、家に戻った頃でしょうか・・・
自己嫌悪にさいなまれて、激しく落ち込んでいるのか、それともすっきりと清清した気分でいるのか・・・
実現しなかったので、分りません。
今回は、入院予定の前日夕方に、私の方からドタキャンしました。
あんなに追い込まれて、もう一日たりとも待てない状況だったのに・・・何故?
何故?なのか・・・・分りません。
この一週間は、激動の日々が流れていました。
K病院から、受け入れ出来ないと言われた事は、私にとって死刑の宣告にも等しく、むしろ「死ぬ事」が一番最良の選択肢にさえ思えた日々。
と言って、現実に自分から死を選ぶほどの実行力を持ち合わせていない事も、自分では良く分かっていたので、それなら別の手を考えなくてはならない。
合法的安楽死を切に願ったのもこの頃です。
でも、それもあり得ない。
それなら、やはり自分が動いて、別の手を考える以外にない。
「誰かが何かしてくれると言うのですか?」と言う、Yさんの激し過ぎる激励も、否応なしに私を動かしました。
そう、私がやる以外にない。死ぬ事が出来ないなら、次の手を捜して動く以外に無い。
そう観念してひたすら動き回っていたこの一週間。
ヒロくんの状況が変わりました。
まぐれだろう、今日だけ、たまたまだろうと思っていた夜の熟睡が、7日間続きました。
曲がっていた首が上向きになり、表情から苦しみが消えました。
別人ではなく、元のヒロくんの顔に戻りました。
穏やかに落ち着いていられる時間が増えてきました。
何故?
答えは出ません。
ただ、本人が楽そうな顔になり、そばに居る私も楽になれた、と言う事実があるだけです。
おかしい。
こんな事が続くわけが無い。
明日には、また苦しみに閉ざされたあの表情が戻ってきて、深夜のヌードショウが復活するかもしれない。
でも・・・・・私は、犬。
昨日も振り返らないし、明日も見ない。
たった今だけに生きている。
だから・・・・入院の予約をドタキャンしました。
こんなに良く眠れて、良い表情が戻った「私の夫」を精神病院へ置いて来る事は出来なかったのです。
明日の事は明日考えよう。
とても 素敵なご主人ですものね
穏やかな日が 長ーく続きますように・・・