数日前の夜の話です。
8時頃、ヒロくんはベッドに横になりました。
ちょっと前までは、「寝方」が分らないので、足を持ち上げて、上体を倒してあげて、寝る態勢に入るまでに、私は心身ともに疲れきってしまったものでした。
しかも、優しい優しい天使の言葉をも添えなくてはなりませんでした。
最近のヒロくんは、そんなめんどくさい手順をしなくても、ちょっとした声かけだけで、自分でベッドに横たわる事が出来ます。
天使の言葉は要りません。
「はい、じゃあおやすみなさい。」と言う、普通の言葉があれば、それで充分なのです。
「平成21年地獄」を思うと、最近の我が家には、「奇跡」があちこちにころがっている感じです。
あんなに苦労したトイレも、何の問題もなく簡単に済ませることが出来ます。
靴を脱いだり履いたりさせるのも、足元にしゃがみこんで、一苦労でしたが、今では自分で履く事もできます。
脱がせて上げないと、靴のまま家の中に入って来たのに、家に上がる時は靴を脱ぐのだ、と言う認識が復活した感じです。
朝、気がつくと自分でパジャマのズボンを脱いで、着替えようとしていた事もあります。
懐かしのヌードショウは、もう見られなくなりました。
荒れない様に、荒れない様に、と私がぴりぴりする事もなくなりました。
デイの職員さんからも、会話が出来るようになったと言われました。
何て平和な!普通の日々。
こうなると、それはもう「奇跡」ではなく、それが当たり前の生活にさえ思えます。
いや、ダメダメ。気を緩めてはいけない。
今のこの絶好調はやはり「奇跡」だと思う様にしましょう。
で、先日の夜のお話です。
ベッドに大人しく横たわったヒロくんでしたが、少しすると、何かしゃべっている声が聞こえてきました。
見に行くと、寝たまま
おかしいなぁ と言っています。
どうしたの?おかしいんだよこんな時、気になるのは、やはりトイレ関係です。
掛け布団をそっと捲って見ると、ヒロくんは、パジャマのズボンを半分ほどずり降ろした状態になっていました。
でも、お漏らしはありません。
大丈夫だよ。何もないから大丈夫。そう?うん、ゆっくり寝ればいいよ。私は、ずり下がったパジャマのズボンを元に戻してあげました。
それでもまだ、ヒロくんは
おかしいなぁ を繰り返しています。
トイレ行く?ついさっきオシッコして横になったばかりだから、出るわけはないと思いながら、とりあえず出来る事といったらそれしかないので、私は念のためヒロくんをトイレに連れて行く事にしました。
ヒロくんは、本当に素直に便座に座ってくれました。
そして・・・・・・座ったとたんに・・・・・・・
高らかな伴奏付で、下痢

が、たっぷりとトイレの中に排出されたではありませんか。
ひぇーーーー、
私の脳裏には「危機一髪」と言う四文字熟語が浮かびました。

ヒロくんの言う事は、正解だったのです。たしかに「おかしい」のでした。
お腹の具合が「おかしい」事を、一生懸命伝えてくれていたのでした。
便座に座っているヒロくんと、立っている私は、顔を見合わせて苦笑いしました。
これもまた「おかしな」光景ですが・・・・・
トイレから出たヒロくんは、言いました。
ありがとう!きっとお腹の「おかしい」のが治ったので、そのお礼を言ってくれたのでしょう。
いえいえ、とんでもない。
私は想像しました。
ヒロくんが「おかしい」事を伝えてくれなくて、もしベッドの上で惨劇が広がっていたら・・・・・・
ギャーーーーーー!!!
私は、心からヒロくんに言いました。
教えてくれて、
ありがとう!!!!!!!!!!
お父さんとお母さんが、笑ってくれるとメグちゃんも、うれしいね^^ゆっくりお昼寝できるね。
おばさんね、メグちゃんの事だいすき!
デモね、ラブちゃんのつぎだよゴメンね。