秋の陽は釣瓶落とし、とは上手く言ったもんだ。
夕方仕事を終えて、準備してから、直に夫の元へ行っても、走っている途中で暗くなる。
つい先ごろまでの猛暑が懐かしいほどに、空気が冷たい。
こんな日は、家族で鍋でも囲みたい気分だが、私は一人暮らし。
息子たちや従業員さんたちは、5時の鐘がなると、それぞれの家族の元へ帰って行く。
「お疲れ様でしたぁ~。」と見送った後、私は一人。
メグちゃんはいるけど、ちょっと違う。(ゴメン!)
夕食後の夫は、大抵機嫌が良い。
穏かな顔でTVに向かっている。
並んで座った私が、顔を見ると、同じ様に見返してくれるいつもの遊びが始まった。
良い顔だ。
気温が下がると、人間はぬくもりが欲しくなる。
思いついて、夫の肩に私の頭を預けてみた。
温かい。
すこし、頭をずらすと、心臓の鼓動が聞えてくる。
膝の上にじっと置かれている夫の左の腕に、私の右手を絡ませてみた。
本当は、夫の左腕を私の肩を抱く形にしてみたかったけれど、無理に動かしてご機嫌が悪くなると嫌なので、止めた。
夫の腕、肩、胸、ぽっこりでたお腹、何もかも温かい。
この「ぬくもり」がたまらない。
夫は、じっとTVに目を向けながら車椅子に座っているだけ。
頭が重いよ、とも、絡んだ腕が邪魔だ、とも言わない。
そんな不粋な事は何一つ言わず、私が離れるまでじっとじっとそうさせてくれるお利口さんだ。
それを良いことに、私は、べったりと夫に甘える。
そういえば・・・・「夫に甘える」なんて、長~~い間死語だった。
大丈夫、この部屋は2重扉になっているから、廊下側の扉がノックされたら、直に離れれば誰にも見られない。
プライバシーは・・・完璧だ。

私も時々やります。
腹の上に頭をのっけたり、おでこ同士くっ付けたりw
旦那は、止めてくれ~って言いたいんでしょうけど、私がコワイから笑ってます。