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いつでも里親募集中

エレベーターを降りて、廊下に人が居ない事を確認すると、抱っこしていたメグちゃんを下ろす。



メグちゃんは、猛スピードで一番奥のお父さんの部屋まで駆けてゆく。


同じ扉が左右に並んでいるのに、お父さんの部屋の扉をちゃんと知っている。


尻尾をフリフリしながら一目散に走って行く後姿が、何とも可愛い。


扉を開けてあげると、お父さんの傍へ飛んで行く。


残念ながら、お父さんが、メグちゃんを構ってくれる事はないけれど、そんな事はこの優秀なセラピー犬はものともせず、毎日毎日、お父さんの元へ駆けて行く。


可愛い。


それはさて置き、私は、玄関に入ると、まず夫の表情を遠目に見る。


目が閉じられて、眉間に皺が寄っていると、がっかりする。


穏かな顔で居てくれると、とても嬉しくなる。


ちらっと、本日の表情を確かめてから、次に見る場所は、玄関脇の洗濯機だ。


中に、洗濯物が溜まっていると、洗濯機を回す。


30分で仕上がるので、居る間に乾燥機付きの風呂場に干す事が出来る。


それから、メグちゃんにご飯をあげる。


もしかしたら、メグちゃんがお父さんのお部屋に走って行くのは、ご飯がもらえる事を知っているからかも知れない。


メグちゃんが食べている間に、私はお部屋の掃除をする。


掃除と言っても、コロコロで布団とカーペットをころころするだけ。


毎日コロコロしても、びっくりするほど、ゴミや髪の毛が付く。


掃除も、洗濯も、私がしなくても、職員さんがして下さるのだが、夫の部屋に行って、そんな家事をするのは、本当は、家事は嫌いな私だけど、家に居るみたいで何と無く嬉しい。




そんな事をしている内に、食事が運ばれてくる。


夫は、相変らず何でも良く食べてくれる。


私自身は、たまには途中でお弁当を買って行って一緒に食べる事もある。


だけど、やはり買ったものはあまり美味しいと思わない。


お部屋に台所は付いているのだけど、あまりに小さいので、今までまともに料理をした事はなかった。


だから、大抵は8時半頃家に帰ってから、一人で食べる事になる。


めんどくさい。


自分一人の為に、頑張って作ろうと言う気にはならないので、至って簡単なもので済ませてしまう。


冷凍庫にピザがある・・・・これで夕食を済ませるのは・・・主婦じゃないな、と思いつつ・・。


019らんぱぱ
メグ様のおっしゃる通りです。




そこで、最近考えている事。


それは、夫の部屋をもっともっと居心地が良い空間にして、そこで過す時間を長くしたい、言うこと。


これまでの半年は、夫が落ち着くことが出来るかどうか、ご機嫌が良いか悪いか、それだけが気になっていた。


だから、お部屋は必要最低限のものを揃えることしか考えなかった。


買ったのは、冷蔵庫と洗濯機とテレビ、カーペットだ。


あと、IH用のやかんと小さな鍋が一つ。


冷蔵庫の中は、夫のおやつ用として、ヨーグルトやプリン、果物、ジュースなどが入っているだけ。


食器は、マグカップが二つとお皿が二枚、スプーンとフォークが一個ずつ。


冷蔵庫の上には、インスタントのコーヒーとティーバッグのお茶、お八つのクッキーやおせんべいが少々。


メグちゃんの黄色いドッグフードが妙に目立っている。


下駄箱の上に夫の思い出の品が飾ってある訳でもないし、壁に家族の写真が貼られている訳でもない。


至ってシンプルな空間であるが、私はそれが気に入っている。


私の心の中では、常に、いつ夫が天国へ召されるか分からないと思っているので、この部屋を撤退する時に、出来るだけ身軽にしておきたいと思う。



とは言え、病院ではなく、せっかく台所まで付いている部屋に住んでいるのだから、出来るなら、私が作った料理を、夫と一緒に食べたいと思う。




もはや、


共にお出かけする楽しみも、


共に語り合う安らぎも、


共に積み重ねてきた事を懐かしむ事も、


初孫が産まれた嬉しさを共有する事も・・・


できなくなってしまった私たち夫婦だけど、


私の手料理を一緒に食べる楽しみは、まだ残されている。


でも、それがいつまで続くかは分からない。


夫の脳は、いずれ咀嚼を忘れ、嚥下を忘れる事が、約束されているのだ。


今後は、急な発作など起こる可能性も大いにあると思う。


いつまで経っても・・・・残酷な病気だ・・・・











そこで、半年が無事に過ぎた事でもあり、夫がまだ食べてくれる今の内に、もう少し、私が作ったものを一緒に食べられる様な工夫をしようと思うようになった。


でも、このお部屋のキッチンは、あまりにも狭く、一口のIHコンロと小さな流しがあるだけなのだ。


調理台は、ない。


流しの隣に置いたミニ冷蔵庫の高さがちょど良いので、そこで果物を剥いたり、お茶を入れたりすることは出来るが、とても狭い。


それに、まな板とナイフは、とりあえず、100均で買ったものだ。


これじゃ、なかなか家と同じ様な料理は出来ない。


そこで、一工夫。


大好きな春巻きなど、家で揚げて、タッパにいれ、新聞紙に包んで保温して持って行く。


スープが覚めない絶妙の距離なので、まだほかほかのまま夫の食卓に並べる事が出来る。


そして、運ばれてきた食事と共に、二人で分け合って食べる。


因みに、保温に活躍した新聞紙は、一枚ずつ折りたたんでトイレの棚に置いておけば、オムツ交換の時に役に立つ。


たまには、夕食をキャンセルして、新しく買った電気式のミニ鍋&グリルで、食卓の上で鍋や焼肉を楽しむ。


材料は家で切って持って行く。






こうして、二人で過す夜の時間がますます快適になって来た。


メグちゃんも、今までは私が帰る気配を察すると、一目散に走ってきたが、最近は、ぽかぽかのお父さんのお布団の中から、「え?かえるの?」と言う感じで、めんどくさそうに、のそのそと歩いてくるのが面白い。


メグちゃんもきっと、この部屋が快適なんだろう。


小さな台所に、少しずつ増えてきた調味料や食器を収納するための、冷蔵庫脇のすきま15センチの空間に置ける効率の良い棚をネットで探すのが、私の秋の夜長の楽しみとなっている。





コメント

素敵な過ごし方です!
工夫次第で、お部屋が2人+1匹のより良い空間になりますね。
ご主人は、momoさんのような奥様を持ってお幸せだと思います。
家の旦那には、話せない・・。
比べられちゃう(;´・ω・)

いえいえ、何だかんだ言っても、ご自分の家で暮らしておられるご主人はお幸せだと思います。そして、大変だけど頑張っておられるまっちさんはとても偉い!です。私は、大変なところは人に任せて、楽なところや自分が楽しいところだけすれば良いのですから・・。

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