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いつでも里親募集中

Amalfi

9月に、Amalfiで結婚式を挙げて来た次男が、出来あがったDVDを持って来た。


美しい風景、幸せそうな新郎新婦、そして、感無量で寄り添う新婦のご両親が写っている。


新郎の両親は欠席だ。


例え、国内で式を挙げたとしても、今の夫が出席する事は叶わないだろう。


気軽に出かけられない遠い異国で式を挙げたのは、むしろ息子たちの優しさだったのかもしれない。





夫が帰宅した火曜日、一緒にDVDを見た。


夫は、じっと座って画面を見ている。


こんな時の最高の演出は、「夫の表情が穏やかに変化し、微笑みが見られた。」又は、「食い入るように画面を見入っていた夫の目から、一筋の涙が・・・」と、なる訳だが、残念ながら現実はドラマの様には行かないものだ。


夫の表情には何の変化も見られなかった。


決めつけてはいけないと思うが、今の夫にとっては、ニュースもお笑い番組も、息子の結婚式の映像も、違いは無いのだろう。


私は、夫の表情から何かを読み取ろうと言うむなしい努力を止めて、後ろに下がった。


夫の頭越しに、Amalfiの風景と息子たちの姿を見ていると、涙が出そうになった。


単に、息子たちの幸せそうな姿に、親として感動した、と言うのとは、ちょっと違う。





画面からあふれ出る幸せと、散髪して貰ったばかりの夫のクリクリ頭が、同時に私の目に入って来る。


アマルフィ




その対比が、強烈に、心に迫って来た。


息子たちの幸せそうな姿、そして、別世界で暮らす夫の後ろ姿。


この異次元の空間が、ぐるぐる回って一つになって私の心に入って来る。


何なんだこれは。


そのどちらもが、私にとって現実なんだと言う事が、とても不思議な感覚だった。






もし・・・・


夫が病気になっていなかったら、私たちもあの美しい風景の中にいたはずだった。


純白のドレスを纏った可愛い花嫁さんに、夫はデレデレになっていたに違いない。


たった一つ・・認知症と言う病が、そんな、あるはずだった幸せを私たちから奪い去ってしまった。






愚痴を言っているのではない。


これが、私たちの運命なんだと割り切っている。


だけど、本当は・・・世界一美しい場所、と言われているAmalfiの海岸に・・・


夫を立たせてあげたかった。


夫と一緒に・・青い海を眺めたかった。


普段は、運命なんだと納得しているつもりだけど、例えどんなに嬉しい事であっても、非日常が入り込んでくると、心が乱れる。


まだまだ修行が足りないんだと思う。









夫の後姿に向かって、私は心の中だけで語りかけた。


いいよね、お父さん。これが、私たち流の(息子の)結婚式だよね。ここで、こうして、二人で一緒に参列出来たから・・・これでいいよね。いいよね。







降り注ぐ秋の陽を浴びて、穏かな顔をした夫が、家にいる。


これ以上、望むことなど、ないはずだ。


にっこうあし






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