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いつでも里親募集中

今日は、私の誕生日。


帰宅する夫と一緒にケーキを食べようと決めていた。


メグちゃんの分もある。

くだしゃい1126



昼前に戻って来た夫は、初めから調子が良かった。


おかえり


と言うと、小さく頷いてくれたので、職員さんが、


分かってるんですね


と言われた。


私の目には、夫が自分の家に帰ってきた事と、さらに、私の言葉が分かって頷いた、とは思わなかったけれど、否定しても仕方が無いので、あいまいに笑っておいた。


お昼前だったけれど、早速メグちゃんと三人で、ケーキを食べた。

けーきおいしい1126



今日ね、お母さんのお誕生日なの。60才になっちゃった。


夫は、もちろん何も言ってくれない。


だけど、まあまあ穏かな顔をしてくれているので、これがプレゼントだと思うことにしよう、と思った。


夫は、相変らず食欲旺盛で、パクパクとケーキを食べてくれた。


これも、プレゼントだと思うことにしよう。



その後、お昼のうな丼も完食し、いつもの様にお昼寝タイムとなった。


大体、いつも2時頃まで眠る。


目が覚めると、しかめっ面になる事が多く、そうこうしている内に2時半頃お迎えが来て自分の家に戻ってゆく。


これがいつものパターンだ。


今日の夫も、いつもと同じだった。


せっかく穏かに過していたのに、目が覚めると、やはりしかめっ面と眉間の皺が復活した。


この顔には、ちっとも免疫が出来ないで、いつ見ても心が曇る。


早くお迎えが来て、私の視界からこの眉間の皺が消えて欲しいと思う。


だけど、今日に限ってお迎えが遅かった。


車椅子をTVの前に持って行き、息子の結婚式のDVDを繰り返し流したが、しかめっ面は治らない。


まあ、そんな事で治るしかめっ面でない事は、充分に分かっているが。


ところが、中々来ないお迎えを待っている内に、いつの間にか夫は目を開いて、穏かな表情になっていた。


この変化の理由は、やはり夫の脳の中にしか探せないと思う。


でも、理由などどうでも良くて、穏かな顔になってくれた事に心から安堵した。


ここに至るまで、散々、地獄を這いずり回ってきた夫だから、どうかこれ以上苦しまないでと願う。


表情が穏かなら、少なくとも、今は苦しくないんだと思える。


その事に安らぎを見出す以外にない。





夫が、穏かな顔になった所で、私は、今日、何回も言った台詞を、もう一度言ってみた。


今日ね、お母さんのお誕生日なの。











その時・・・・・











奇跡が起こったとしか思えなかった。





じっと腕組みをしていた夫が・・・・




その腕を解いて・・・・・




パチパチパチと・・・・・




手をたたいてくれたのだ。






そして、


笑った。


滅多に笑わない夫が、


嬉しそうに、


とても良い顔で、


笑ってくれた。






お迎えに来た職員さんに、今目の前で起きた事を話した。


職員さんが言われた。


やっぱり、分かってるんですよ。ほら、この顔、分かってるんですよ。


今度は、私も、


そうですね、分かってるんですね。


と言わざるを得なかった。



夫は、ずっと笑みを湛えた穏かな顔のまま帰って行った。




今日の出来事を、こうして書きながらも、なんだか信じられない思いでいる。


たまたま頭の霧が晴れた時に、「誕生日」と言う単語が入ったのだろう。


そして、「誕生日」はお祝事だと理解し、お祝いには手を叩くと言う事を覚えていて、実行した。





生まれてこの方、60回の誕生日を迎えてきた訳だが、こんなに感動する誕生日は初めてだ。


こんなに嬉しいプレゼントも初めてだ。


魔術師の様に動いた夫の手、一生忘れない。


015誕生日手











コメント

ちょっと落ち込んでいました。

でも、記事を読んで涙が出ました。
自分のことのように嬉しいです(;ω;)

一日遅れですが素敵なお誕生日、おめでとうございます。

1日遅れですが60歳のお誕生日おめでとうございます。御主人から素晴らしいプレゼントを頂き、本当に良かったですね。ご主人はまだまだいっぱい感じる心をお持ちなのですね。感銘を受けました。
我が家は錯乱、混乱、興奮と一昨日の嵐のような怒濤の1週間が過ぎ、昨日老健が2週間のショートステイを緊急に引き受けてくれました。どう対応しても鎮めてあげる事が出来ない私。不安、不快、ストレスをこういう形でしか表現出来ない夫。在宅でとずっと頑張って来ましたが限界に近いと朦朧とした頭で考えました。少し距離をおき、どうしたら穏やかな気持ちでいてもらえるかをじっくり考えたいと思います。

うれしい

だいぶ以前に「奇跡の時間」のコメントを投稿したものです。
あの後もずーっと拝見しております。

今回の記事は私も本当に嬉しくなってしまって、思わずコメントを書いてしまいました。本当に、本当によかったですね。きっとご主人様も嬉しかったと思います。ずっとmomoさんに贈りたかった想いを一番いいときに贈れたこと。いろんな意味での拍手と笑顔だった気がします。

父をみていて確信してました。父の真ん中には以前と変わらない父がいて時々ひょこっと顔を出してくれるのだと。

実は今度は母が進行性核上性麻痺という難病から認知症を発症し介護をしています。自分で筋肉を動かすことはできないので、母の場合は目の表情で気持ちを推し量れるかなと思います。調子のいいときは本当に穏やかな澄んだ目をしています。そんなときはやはり母は変わらずここに居ると思います。奇跡の時間です。

まっちさん

ありがとうございます。一緒に喜んでいただいて、本当に嬉しいです。

日々、落ち込んで、回復して、また落ち込んで、また元気になって・・・・私もずっとその繰り返しです。あまり深く考えないで、とりあえず、温かい部屋で美味しいものを食べる、これが一番!風邪には気をつけて下さいね。

marikomさん

こんばんは。夫が、混乱の極致にあった頃、こんな穏かな日が再び来る事など、とても考えられませんでした。夫は、不穏のまま眉間に皺を寄せて、苦しんで死んで行く、私に出来る事は何も無い、そう思っていました。だけど、時は流れました。決して、「そこ」に永遠に留まっている事はなかったのです。

今は、marikomさんの、心と体が潰れない事を考えてくださいね。回りの方に、一杯助けてもらって、心のままに進んでくださいね。応援してます!

みるふぃーゆさん

お久しぶりです。ずっと読んで頂いて、ありがとうございます。

以前、「奇跡の時間は、また来る。楽しみにしていて下さい。」とコメントを頂きましたね。「楽しみにします。」とお返事を書いたものの、半信半疑でした。

あれからちょうど3年、奇跡の時間は本当にやって来ました。もう言葉はほぼ失ってしまいましたが、夫なりの方法で想いを表現してくれた事に感謝です。

仰るとおり、どんなに変わってしまったように見えても、心のど真ん中には、変わらぬ夫が居るのだと思えます。こうなると、また、次の奇跡が楽しみです。

お母様は、目で想いを伝えておられるのですね。それをちゃんと読み取ってくれる娘さんがそばにいる事、お幸せだと思います。どうぞ、お体に気をつけて、お過ごし下さいね。お互い、「奇跡の時間」が一杯訪れます様に!

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