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分相応

忘れられない猫の話を一つ。


名前は、ミーちゃん。


ミーちゃんの姿の消し方は、実に見事だった。


随分前の話しになる。






メグちゃんが我が家に来る前、大きな犬を二匹飼っていた。


この二人から教えられた事、学んだ事は数知れないが、それは今回は置いておく。


その二人が立て続けに死んでしまった後、もう犬を飼うのは止め様と思った。


振り返れば、夫が地獄に足を踏み入れつつある頃だった。


夫の世話と犬の世話は、とても出来ないと思った。


でも、夫は無邪気に犬を飼いたいと言った。


かう?かう?


と言う夫の笑顔は、今でもはっきりと思い浮かべる事が出来る。


それでも私は、ムリムリ、と答えていた。


どう考えても、これ以上の負担は背負えないと思っていた。


だけど、大きな犬二匹がほぼ同時にいなくなった喪失感は半端じゃなかった。


それを少しでも埋めたいが為に、私はのら猫を手なずける事を考えた。


この辺りには、のら猫か飼い猫か分からないが、悠々と猫が闊歩している。


警戒心の強い子はダメだが、中には人に慣れている子もいる。


私が目をつけたミーちゃんは、いかにも猫らしい薄茶色のしましまをまとった比較的身体の大きな猫だった。


そして、いかにものら猫っぽいふてぶてしい顔をしていた。


だけど、近くへ行っても逃げる事無く、じっとこちらを見つめている。


少しづつ接近を計って、とうとう抱っこさせてくれるようになった。


それから、ミーちゃんは、毎日我が家に遊びに来た。


来ると、必ず牛乳をあげた。


美味しそうに牛乳を飲んだ後、満足したようにミーちゃんは帰ってゆく。


ある時、夫と一緒に買い物から戻ると、ミーちゃんが、じっとデッキに座って私たちを待っていた。


何て可愛いんだろう!


暫くの間、私と夫は、ミーちゃんに癒される日々を過していた。





だけど、それからの夫の精神状態の悪化は、のら猫ではカバーしきれなくなった。


ありとあらゆる事を試みた末、もはや犬を飼う事以外に、私が思いつくことが無くなった。


それで、我が家にメグちゃんがやって来たわけである


もう、4年も前の事だ。




私は、メグちゃんとミーちゃんの二人を一緒に可愛がろうと思っていた。


我が家に飼い犬がいて、毎日遊びに来る猫がいて、来たら二人一緒に牛乳をあげよう。


とても楽しみだった。


メグちゃんは、今でこそ、遠目に猫を見かけると、大声で威嚇するが、来たばかりの頃は、大人しかった。


猫を被っていたんだな。





メグちゃんが我が家に来た翌日、


いつもの様にミーちゃんが遊びに来た。


私は、嬉しくなって、二人に牛乳をあげた。


二人は、お互いにやや警戒しながらも、牛乳を飲んだ。


ミーちゃん「あれ?あんた、だれ?」


メグちゃん「さあ?昨日、ここに来たばかりなの。ここはどこかしら?私にも良く分からないの」


こんな感じだ。


牛乳を飲み終えると、ミーちゃんは帰って行った。


次の日、


ミーちゃんは、また遊びに来てくれた。


私は、また一緒に牛乳をあげた。


ミーちゃん「あれ?あんた、今日もいるの?」


メグちゃん「う~ん・・良く分からないのよ。でも、ここ居心地良いの。私、可愛がられてるみたいよ。」


ミーちゃんは、帰って行った。












そして・・・・








次の日から、ミーちゃんは、姿を見せなくなった。


遊びに来なくなっただけではなく、近所でうろうろする姿も、一切みられなくなった。





ミーちゃんは、悟ったんだと思う。


「ここは、私の来る場所じゃなくなった。あの子の家なんだ。」って。





そのあまりの潔さに、感服する。


二人一緒に可愛がろうと思った私の考えは、何て浅はかだった事か。


飼い犬と一緒に牛乳を貰う、など、ミーちゃんの、のらとしてのプライドが許さなかったのだろう。



わたしは、のらですもの・・飼い犬さんが居る家には、お邪魔だと思います。

のらは、のららしく、それなりに生きて行きます。





短い時間だったけれど、私と夫の淋しさを埋めるために、結果的にミーちゃんの心を弄んでしまったと言う心苦しさが残った。


あれから4年、


一度もミーちゃんの姿を見かけることはない。



何処でどうしているんだろうか。



あ・・・きっと「ミーちゃん」って名前も、余計な事だったんだろうな。











どんな状況に置かれても、決して卑屈になる事無く、分相応に堂々と生きてゆくこと。


私は、一匹ののら猫から、学びました。




014みーちゃん




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