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いつでも里親募集中

2日分

今夜は、何と無く変な感じなのだ。



夕食の準備をしていると、看護師さんが薬を持って来た。


微熱があると言う。


7度1分らしい。


訪問医から、念の為に薬が処方されたらしい。


看護師さんは言った。


「部屋が暑かったからかもしれないんですけど、喉もごろごろ言ってるし、肺炎になったら大変だから、薬(抗生剤)を飲んで下さい。明日、熱が7度5分以上出たら、先生に連絡する事になってます。」


夫の喉は、前から時々、ゴロゴロ言っている事があるが、自分でせきをして痰をきることができている。


微熱があると言われておでこを触ってみると、ほんの少し熱い様な気もする。


だけど、今日の夕食「牡蠣鍋」も、いつも通り良く食べてくれた。


いつもと違ったのは、食べ終わった後、とても苦しそうな表情になった事だ。


便がマイナス4日位の時は、こんな顔になることがある。


だけど、昨日、排便している事を知っていたので、しばらくそのままにしていた。


その内、治るだろうと思って。


だけど、夫のその酷い表情はいつまで経っても治らない。



トイレ行きたい?


と、聞いても、もちろん返事は無い。


あまりに情けない顔が続くので、ベルを押して職員さんに来てもらった。


トイレに座らせてもらったけれど、やっぱり出ない。


情けない顔はずっと続いている。


昨日出たから、出ないですよね。でも、この顔、どこか苦しいんでしょうかね・・・。こんな酷い顔、久しぶりです。


「熱があるから、しんどいのかもしれませんね。また来ます。」と言って、職員さんは出て行った。


認知症は本当に悲しい。


何も伝えられない、何も分かってあげられない。




一口に「しかめっ面」と言っても、それぞれ程度がある。


大した事無い「しかめっ面」もあれば、心が重くなる「しかめっ面」もある。


程度の重い「しかめっ面」に長い時間相対するのは、とてもしんどい。


理由が分からないから、余計にしんどい。


もう帰ろうかと思ったけれど、思いついて大好きな果物を食べさせてみた。


今年、何度も何度も食べた、種無しの巨峰だ。


目を閉じたままの夫の唇に、巨峰をちょっとつけると、夫は口を開いて、食べてくれた。


一つ、二つ、三つ・・・・・と食べるうちに、表情が穏やかになって来て、目が開いた。


良かった。


あの顔のままお別れするのは、結構きつい。


反動で、穏やかな顔の夫がいつもより更に愛おしく感じられた。


おでこを触ってみると、熱が引いた様に思える。


TVで紅葉の番組を見る。


夫の視線は、TVではなく、壁に貼ったカレンダーに向いている。


時間は過ぎて行き、そろそろ帰らなくてはならない。


リクライニングを倒して、お別れのご挨拶をしよう。


じゃあね、また明日来るね。


夫は、少し潤みがちな目で、じっと私を見ている。


微熱のせいか、眠いのか。


それでも、その目はしっかりとしていて、不思議に私の心を捉えた。


ふと、変な感じになった。


夫は、このまま死んでしまうんじゃないだろうか。


まさかね・・・・。




お父さん、まだ逝かないよね?来週はお母さんの誕生日だから、一緒にケーキ食べようね。来年は、まーくんの妹が生まれるし、楽しいことが一杯あるよ。まだ、逝かないよね?




何故、そんな想いに囚われたのかは分からない。


ついさっきまでの、苦しそうな表情がそうさせたのかもしれない。


語りかける私を、夫はじっとじっと見て、何かを言いたそうに口を開いた。


でも、言葉は・・・・・ない。





もし、今晩、夫がこのまま逝ってしまったら・・・・・。


そう、思って、私は伝えたい事を言った。


お父さんと結婚して、幸せだよ。本当に幸せだよ。子供たちも、皆幸せだよ。お父さんのお陰だからね。


夫は、じっとじっと聞いている。


頭が晴れている顔だ。


ありがとう


そう言うと、夫は、しっかりと頷いた。


私を追ってくる視線をそっと外して、部屋を出た。





何だか、今夜は、変な感じだ。



0111121.jpg











上の文章を書いたのは、実は昨夜の事である。


書き終えて、UPする時、書いたことが本当になったら嫌だと思ったので、一日保留した。


夫は、今日もいつもと変わらず生きていた。


熱は6度2分に下がって、3時のお八つをいつも通り沢山食べてくれた。


いつも3時頃に、職員さんが排泄のお世話に来られる。


夫の表情が良い時は、パスしてもらう。


せっかくの良い顔が、オムツ替えで崩れてしまうのがもったいないからだ。


今日は、元々目が開いていなかったので、お願いすることにした。


その時によって、おむつ交換だったり、トイレに座らせてもらったりしている。


今日は、トイレに座った。


5分程で、夫は大小、両方を排泄した。


2日目で、自然排便できたのは、とても珍しい事だ。


素晴らしいタイミングだったのだ。


タイミングさえ合えば、こうしてトイレで出来るのに・・・トイレに行きたい、と言えない夫を思うと、とても切ない。


すっきりしたに違いないのに、今日の夫はずっと目が開かない。


外は暖かくお日様が輝いているので、何としても散歩に出たい。


目が開かない時は、いつも部屋で過しているが、今日は無理に散歩に行こう。





004さんぽ1122





陽の光が暖かい。



おはな1122



やっぱり、外は良い。






部屋に戻って、熱い日本茶をいれて、TVを点ける。


お笑いをやっていたので一緒に見る。


一緒に、と言っても、夫の目は相変わらず閉じられたままだ。


4時半になったので、引き上げる事にする。


そろそろ帰るね。もう、4時半になっちゃったよ。


夫は、目を閉じたまま、笑った。


何に反応したんだろう?


お父さん、今日はずっと目を閉じたままだから、それじゃあ、美しいmomoさんの顔が見られないよ。


今度は、笑わない。


笑いのつぼが分からないな。




えへ1122







コメント

良かった!

 昨日の事で安心しました。
 でも昨日読んでたら、ずーっと気になってたでしょうね。
 良かった。
 我が家もです。
 夫の痙攣の回数が増えました。
 視点が定まらなく、呼びかけても反応しない時、このまま・・・なんて不安になります。
 毎日を大切にしたいですね。
 

はなさん

夫を見ていると、人の命って、そう簡単に消えないものだと実感する反面、あっけなく逝ってしまう事もありそうな気がして、ふと不安になることがあります。

仰るとおり、毎日毎日が貴重な時間ですね。

お互い、穏やかな時が流れますように!

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