FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

何?

相変わらず平穏な日々が続いている。


昨日は、夫と一番仲が良かったお姉さんが会いにきてくれた。


「○○くん、△△子よ、分かる?」


と、顔を覗きこむお姉さんに、夫の表情は微妙だった。


目が開いて、お姉さんと視線は合うが、分かったのか分からないのかは・・・・・


残念ながら、分からない。


笑ってくれたり、あ、分かったんだ、と私が感じられる様な表情は見られなかった。


でも、しっかりと目が開いて、普通の顔をしていたので、上出来だ。


滅多に会わない高齢のお姉さんに、あのしかめっ面は、出来ることなら見せたくない。


お姉さんが、帰った後、「△△子さんが来てくれて良かったね。」と言うと、夫は小さく頷いた。





徐々に、徐々に、反応が鈍くなっているのは、仕方の無いことだろう。


今年で、診断確定以来、もう13年目に入るのだから。


確かに、夫はほぼ全ての言葉をなくし、意思表示の方法をなくした。


ただ、だからと言って、夫の頭の中、心の中に思うことが何もなくなってしまったのか、と言うと、それは分からない。


もしかしたら、夫は心の中で、「あ、お姉さんが来てくれた。嬉しい。」と言う感情を持ったけれど、それを表現する術がないだけかもしれない。







今日の夫は、初めはしかめっ面だったけれど、夕食を食べ始める頃には、目が開いて穏やかな顔になった。


いつもの様に、大好きな牡蠣鍋をたっぷりと食べてくれた。


本当に、本当に、食べてくれて、嬉しい。


良く噛んで、ごくっと上下するのど仏、


最後に残った、「好きなものを食べる」と言う楽しみが、どうか長く続いて欲しいと願う。


食べ終わると、一緒にTVを見る。


みかんを食べる。


お茶を飲む。


家で過ごすのと変わらない時間が流れる。


だけど・・・


私は、8時を過ぎると帰らなくてはならない。


目が開いて穏やかな表情の夫と別れて、1人で家に帰るのは、慣れてはいるが、やっぱり淋しい。


正面から夫の顔を至近距離で見つめながら、お別れの挨拶をする。


帰らなくっちゃ。帰っても良い?


夫は小さく頷いた。


もっと居て欲しい?


反応なし。


な~んだ。


momoさんだよ。momoさん好き?


夫は、今度は小さく頷いてくれた。


momoさんも、お父さんが大好きだよ。お父さん、いっつもmomo、momoって、呼んでたよね。

momoさん、momoさん、momo、momo、momo、momo



私は、嘗て夫から嫌になるほど呼ばれていた自分の名前を、何度も何度も夫に聞かせてあげた。


夫の心のどこかに、何かが残っていて、ほんの少しでも呼び覚まされるものがあるのか、ないのか、


それは分からない。


分からないけれど、夫の表情は、いつもとは少し違う様に見えた。


目が、何かを考えている様に見えた。


目の動きが変わった。


大きく見開いて、右から左へ、視線が動いた。


病気になる前には、ふざけた時に良くやっていた目の動きだ。


きっと夫は、今の自分が出来る精一杯のやり方で、意思表示をしたんだろう。


唇も動いた。


ほんの少し、声が出た。


○○□□△△・・・・



驚いた。


ん?何?なんて言ったの?

ねえ、なんて言ったの?








当たり前だけど、答えてくれない。







リクライニングを倒して、ユーミンのCDをかける。


「ルージュの伝言」のリズムに合わせて、体が小さく動く。


その、ほんの僅かな動きは、私に大きな幸せを感じさせてくれる。







それにしても、



夫は、何て言おうとしたんだろう・・・・・・?




0208.jpg
だよね。







コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |