裏山でタケノコを掘った。
一緒に楽しんだのは、私の従姉妹のノブちゃんだ。
タケノコは山ほど取れた。
青空の下、本当に楽しいひと時を過ごした。
取れたてのタケノコを、生のまま食べてみた。
やはり、にがい。
で、天ぷらにしてみた。
最高!
次の火曜日は、夫にも食べさせてあげよう。
タケノコ堀・・・・・
この言葉の響きを聞くと、山ほどの想い出が蘇る。
夫と一緒に、最後にタケノコを掘ったのが、
2009年の春。地獄の入り口に立っていた頃だった・・・・。
あれ以来、夫は裏山へ行く事がなくなった。
ほんの6年前なのに。
私は、殆ど何も変わってないのに。
考えると哀しくなるから、
考えない。
ノブちゃんは、ずっと前から、夫に会いたいと言っていた。
元気だった頃、夫と一緒に楽しんだ思い出が一杯あると言う。
だけど、それを断り続けて、今日まで来た。
想い出は想い出として、しまって置けばいい。
強いて、想い出の中の夫とかけ離れた夫に会ってもらう事を、私が望まなかった。
まして、地獄を這いずり回っている夫の姿など、誰にも見せたくなかった。
タケノコを掘って、美味しい昼食を食べた後、ふと思いついた。
ノブちゃん、お父さんの所へ行って見る?何故、そうしようと思ったのか、良く分からないけれど、私は、以前からのノブちゃんの願いを叶えてあげようと思ったのだ。
そうして、私とノブちゃんとメグちゃんは、夫の所へ行った。
調子が悪いと、目を閉じてるからね、と事前に良く話しておいた。
せっかく会ってもらっても、しかめっ面でいたら、申し訳ないと思う気持ちが強い。
夫は、ゆったりとした感じでTVを見ていた。
目が開いている。
良かった。
ノブちゃんが夫に会うのは、6年ぶり位だと思う。
ノブちゃんは、少々の涙と共に夫の顔を覗き込んで、手を取って、一杯話しかけてくれた。
夫は、とても良い顔をして、ほんの少しの笑い顔と、ほんの少しの音声で、大サービスをした。
ノブちゃんの手作りクッキーと、いつもの果物で、お八つにした。
その後、お天気も良く、暖かいので、外へ散歩に出た。
眩しいと目を閉じてしまうから、と言って、夫の顔を日陰にしながら車椅子を押していると、ノブちゃんが自分の帽子を夫に被せてくれた。
帽子を被せれば良い、と言う事に、私は今まで何故気がつかなかったんだろう、と思った。
夫は、ずっと目を開いている。
今日は、絶好調だ。
風が出てきたので、部屋に戻ると、とうとう、夫は目を閉じて、しかめっ面になってしまった。
残念、
もうちょっとだけ頑張ってくれたら100点だったのに。
でも、今日の夫は99点。
良く頑張りました

以前は何が好いのか一生懸命考えてましたが、今はその時の感覚で決めてます。そのためには感性を磨かなくては・・・
もうすぐ車いす仕様の軽自動車が届きます。まずダム湖に行こうと思ってます。
私、やっぱり靴下に目がいきます。可愛い!