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いつでも里親募集中

妄想

暖かい。


ちょっと動くと暑い。


夫の帰宅には、こんな暖かさがありがたい。


今日の夫は、家に入った時から、ずっと目が開いて穏やかだった。


いつもと違うのは、「天ざる」ではなく、お弁当にしたこと。


私も、それなりに忙しい。


夫は、「天ざる」でなくても、パクパクと沢山食べてくれた。


食後は、お昼寝。


目が覚めると、ピアノの演奏会と、お八つ。


この辺りは、いつもと同じだ。


今日の夫は、ずっと目が開いている。


午後から曇り空になってしまったので、外に出ることは止めて、部屋の中から色づいた山々を眺める。


けやき1117



何だか、とっても良い顔。


今日も、頭の中の霧が晴れている。


こんな時は、やっぱり、一杯お話しなくては。


もちろん、返事は無い。


わたしの独り言だ。


だけど、何だか、ちゃんと聞いていてくれて、それなりに分かっている様な気がするのだ。


いや、多分、本当の所は、萎縮した脳では、そんなに分かると言う事は無いのだろうと思う。


ただ、私が、そう感じる、


感じていると言う事にしている、


ま、それで良い。


正面から顔を見せて、「momoさんだよ。」と言ってみる。


視線はしっかりと合うけれど、返事は無い。


momoさんだよ、momoさんだよ、momo


多分、最後の最後まで、夫の脳のどこかに残っていただろうと思うその固有名詞を連呼してみる。


返事は無い。


momoさん、好き?


やはり、返事は無い。


momoさん、嫌い?


すると・・・・・


夫が、頭を左右に小刻みに動かした。


えっ?


これは、意思表示?


それとも、たまたま、何かの弾みで動いただけ?


分からない。


13年分萎縮した脳は、はっきりと伝わる形での表現を止めてしまっている。


もどかしさは拭えないけれど、夫がそんな演出をしてくれただけで、充分に嬉しい。


時間がたっても、夫は、良い顔で外を眺めている。


顔色良く、穏やかな表情を見ていると、ふと、不思議な感覚に陥る。


病気じゃない、みたい。


例えば、夫が病気にならずに、元気に年を重ねていたら、とある秋の休日には、こんな感じで外を眺めているに違いないと思うのだ。


馬鹿なことを言ってみた。


お父さん、昨日の赤黒い謎の物体が、病気の元で、それが飛び出したから、病気が治ったのかもしれないね。


想像は膨らむ。


もし、夫の病気が治ったら、初めて口にする言葉は何だろう?


「momo」かな、「お母さん」かな・・・。


現代医学では不治の病とされているこの病気。


分かってるけど、時々妄想する。


例えば、車椅子をリフトで下ろすとき、うっかり転落して、思いっきり頭を打ったら・・・


例えば、車で移動中に交通事故にあって、頭を強打したら・・・・・


ぐちゃぐちゃになった頭の配線が、何かの拍子で繋がらないだろうか・・・。




そんな私の下らない妄想など露知らず、夫は秋の風景をのどかに眺めている。



だりあ1117





夕方、ぽつぽつと雨が降って来た。


早めに、ホームまで送り届けたが、最後までずっと目が開いていて良い顔をしていてくれた。







ぜっこうちょう1117





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