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別世界

夫は、もはや普通の社会生活は出来ない。


仕事をしたり、仲間と飲み歩いたり、趣味の事をしたり、たまには家族と温泉に行ったり・・・・


元気であれば、そんな当たり前の、普通の66歳のオジサンだったはずだ。


いつ何時思い出しても、残念で残念でならないのが夫の現実だ。


とは言え、夫は生きている。


以前とは、別世界だけれど、生きていることには変わりがない。


そして、生きている以上、誰かとの関わりがある。


永遠に切れない間柄の家族はもちろん、今の夫に辿り着くまでには、沢山の方にお世話になってきた。


夫が、流れ流れている間に関わってくださった方は、皆、それが仕事だった。


この気の毒な男性を、何とかしてあげようと一生懸命に努力してくださった。


家族が潰れない様に、助けてくださった。


そして、10数年も時が流れて、夫は今、巡り合った施設で沢山の職員さんにお世話になって生きている。


過去に、夫と我々家族の周りを通り過ぎて行った方には、もう会うことはない。


仕事として、夫との関わりが過ぎてしまうと、次から次へお世話をしなくてはならない人が目の前に現れるから、何時までも過去の人の事を思っている訳には行かないだろう。


何より、皆さん非常に忙しい。


だから、夫は、沢山のプロの介護職の方々の脇を、すーっと通り抜けて行った1人の被介護者でしかない。


時は流れる。


過去の記憶は、忘却の彼方へ追いやられるのだ。


夫はもちろん、私自身も、過去にお世話になった方々を、思い出すことは、滅多にない。








夕方、ホームに入ると、施設長のSさんから呼び止められた。


「今日、介護保険更新の調査に市の方が来られました。」


そう言えば、今日がその日だと言われていた事を思い出した。


立ち会う時間が無いので、ホームの方にお任せしていたので、すっかり忘れていた。


Sさんの話は、それだけに留まらなかった。


「来られたのが、けいさんと言う方で、ご主人の事を良く知っておられました。奥様の事も、とても親しそうに、お元気ですか?と、聞いておられましたよ。」


けいさん・・・・・


思い出した。


夫の状態が酷くなりつつある頃、本当に親身になって、色々と教えて下さった、市の職員さんだ。


相談に乗ってもらったにも関わらず、夫が初めての入院をしてからの波乱万丈な日々に、けいさんにその後の報告をする事は一度もなく、義理を欠いて生きてきた。


そんな我が家の事をけいさんは、ちゃんと覚えていてくださったのだ。


Sさんの報告は続く。


「けいさんが言われるには、ご主人の事は皆で気にかけていて、その後どうなっただろうかと話題になっていたそうです。

今回、ここから介護保険の申請を出して、こんなに近くに居る事が分かって、驚いたそうです。

けいさんは、部屋に入ると、ご主人にとても懐かしそうに話しかけたり、壁の写真を見て、息子さん結婚されたんですね、と言われたり、しばらく仕事を忘れた様にしておられました。

そして、奥様は毎日来られてますと言うと、流石ですねぇ・・と言われました。くれぐれも宜しくと仰ってました。」


夫の世界は狭い。


世間の人の前から姿を消してから、長い時間が流れた。


夫の事を、もう死んでしまったと思っている人も居るに違いない。


確かに、夫は一度は死んだ。


だけどまた、こうして別の世界で生きている。


そして、何年経っても、夫の事を覚えていてくれる人が居る。


この世界も、それはそれで居心地が良いところもあるのだ。




べっせかい




コメント

嬉しいですね

先日はご心配をおかけしました。
ようやく炎症が治まり、回復にむかっています。

夫のケアマネさんが今月で退職されます。
義両親の介護のためとか・・・
かなり頼ってましたので、夫の病状と相まって、大海に投げ出されたような心持ちでした。
が、うちにも、風の便りで、以前通っていたデイの方が夫を気に掛けて下さっていると届きます。
嬉しいですよね。

三ヶ月の入院。
私も毎日通ってますが、身体の回復とともに私がわからなくなってきてるようです。
私を見たときの満面の笑み、それが無くなった夫とどう向き合っていけるのか???
また、新しい宿題を貰ったようです。

はなさん

ご主人様、回復に向かわれて、本当に良かったですね。

この病気は、小さな波の中での回復はありますが、全体を見渡すと、ひたすら下降線を辿る悲しい病気です。

まさか・・長年連れ添った妻を忘れる?・・・そんなバカな・・と思っても、それが現実なんですよね。

私も、夫から、「だれ?」と聞かれた衝撃は忘れられませんが、そんな現実を経て今があります。辛い事です。

長年お世話になったケアマネさんが変わってしまうのは、心細いですね。でも、はなさんのご主人を思う気持ちが、逆に周りを動かす力があると思います。

どうぞお体を大切に、ご主人との日々を大切にお過ごしくださいね。

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