FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

その時

夕食に、肉じゃがを食べて居る時、


美味しいね。


と言う私の語りかけに、




おいしい



と、夫が答えてくれた。


これは、本当に驚きだ!


とても小さな声だったけれど、間違いなく夫は「おいしい」と言った。


これだけで、私が天にも上るような心持になる事は、毎回毎回書いてきた通りだ。


たったの一言で嬉しくなる。


その心境は、実際にそんな体験をしているものにしか理解できない。


ルッコラさんが、私が感じているような心境になれない、と言われるのは、もっともだと思う。


同じ道を歩いていても、「その時」が来なければ、分からない事がある。










夫が病気になったごく初期の頃、TVを見た。


そこには、この病気の大先輩のご夫婦が登場されていた。


多分、今の我が家と同じ位か、もう少し先の進行具合だったと思う。


在宅で御主人を看ておられる奥様は、とても穏やかな表情だった。


楽しみは何ですか?


と聞かれて、


「主人と一緒にご飯を食べる事です。」と言われた。


それを聞いた私は・・・・・ん?と思った。


奥様の言われる事が理解できなかったのだ。


当時の私にとって、楽しみと言えば、一緒に美味しいものを食べに行ったり、何処かに遊びに行ったりすることだった。


病気になっても、まだまだそんな普通の事が出来る日々が続いていた。


「楽しみ」と言えば、日常からちょっと離れた何かである筈だった。


だから、一緒にご飯を食べる、と言う「日常」が楽しみだと言われた事が、理解出来なかった。





それから、


時が流れて・・・・・


随分、長い時間が流れて・・・・


今、楽しみは?と聞かれたら、


夫の元へ行って、一緒にご飯を食べる事です、


と答える。



つまり、私にも「その時」が来て、


そして初めて、TVに出ていた奥様の気持ちが理解できた事になる。





もう一つ、その奥様が言われた言葉で、ずっと頭に残っている事がある。


「例えば、主人が心臓病かなんかで、管に繋がれて生きているとしたら、それが良かったのかと思うと、やっぱりそうではなくて、主人はこの病気で良かったんだ、と思うんです。」


旦那様が、この病気で良かった、


病気にならないなら、それが一番良いに決まっているけど、不幸にも病気になってしまうとしたら・・・・


この病気で良かったんだ、


自分が死ぬまでに、心の底からそう思えたら、多分それは幸せな人生だった、と締めくくることが出来るのだろう。


残念ながら、今の私は、まだ「その時」では無いようだ。


手足がなくなっても、どんな体の状態になっても、頭だけはしっかりしていて、普通に会話が出来たらどんなに幸せだろうかと思う。


動けなくても、共に喜び、共に哀しみ、意志の疎通が出来て、相談に乗ってもらえて、励ましてくれて、優しい言葉を掛けてくれる夫であったら、どんなに嬉しい事だろうか・・・。


でも、


もしそうだったら、それはそれで、体の不具合を嘆いている私が居るかもしれない。


結局、今、自分たちが置かれている現状の中で、幸せを感じる感性を磨く以外にないのだろう。


夫は、この病気で良かったんです。


いつか、私にも、そんな風に言える、「その時」が来るのか、それとも来ないのか・・・。


今はまだ、分からない。







008あそび




コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |