変わらない生活が続いている。
野菜と豚肉をたっぷり放り込んだ鍋を食べる。
ご飯を炊く時間が無いので、うどんを入れる。
簡単で美味しい。
食べ終わると、奇跡的にずっと目が開いている時もあるけれど、大抵は、暫くすると目を閉じてしまう。
今日も、目が閉じられた。
そんな時は、リクライニングを倒して、私は夫のベッドで寛いでいるメグちゃんの傍に行く。
ベッドに上がりこんで、コーヒーを飲みながらTVを見る。
昼間の疲れから、うとうとと眠ってしまうこともある。
8時を過ぎても、夫の目が開かなければ、そのまま帰ってくる。
そう言う時の方が多い。
でも、たまには、目が開く事もある。
今日は、そろそろ帰ろうかと思った頃、目が開いた。
周りをキョロキョロと見回している。
あ、お父さん、起きたの?そう言って、正面から、顔を見せてあげた。
すると・・・・・
しっかりと私と目線を合わせた夫の顔が、柔らかに緩んできて、
そして・・・・・
笑った。

とても、とても嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

こんな良い笑顔を見たのは、何時以来だか思い出せない。
嬉しい。

元気が出る。

ほんの5秒ほどの出来事だけど、たったこれだけで、日頃の疲れが消えてなくなる。
その後、夫は、「あまおう」

を沢山食べてくれた。
全部食べても、私の顔を見ると、まだ口を突き出してくる。
私=美味しいものをくれる人、と言う図式は永遠だ。
しばらくしてから、リクライニングを倒して、のんびりと寛いでいる様に見える夫を残して、帰って来た。
帰りがけにかけたCDからは、「乾杯」が流れてきた。

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