施設長さんから電話がかかってきた。
電話がかかってくると言う事は、何かがあったこと。
話を聞く前に、頭の中で悪い出来事が浮かんでくる。
何時の場合にも、
急変はあるだろう。
施設長さんの話は、こうだった。
夜勤明けの職員さんが部屋に入ると、夫の左足が太もも辺りまでベッドの柵に挟まっていたそうだ。
夫は、普段あまり寝返りしないと思っていたが、最近はそうでもないと見える。
柵は、間隔の狭い横桟になっている。
頭が入り込む事はないけど、手や足は入る間隔だ。
夫は、きっと自分で色々動いている内に、足が挟まってしまったのだろう。
訳が分からぬままに、また動いている内に、とうとう太ももまでずり落ちて、挟まってしまい、動けなくなったのだと思う。
夕方、部屋に行ってみると、バスタオルを組み合わせた「緊急手作り柵カバー」がかけてあった。
夫が家に居た時、あまりに動きが激しくて、
同じ様なカバーがかけられていたのを思い出した。
発病14年、もう殆ど自力での動きは無いと思っていたけれど、まだまだ・・・
夫の底力を見た。
そんな夫は、今日もいい顔で食後のぶどうを食べてくれた。
笑顔も見せてくれた。
最近、ふと・・・・
夫をもう一度家に連れて帰れないかなぁ・・・・・と考えている時がある。
今、それは、私のほうの都合で出来ない。
一杯あるこの「都合」が無くなったら、
もう一度夫と一緒に家で暮らそう・・・・・・
かな。
足折れてなくて良かったです。笑顔も見られてホント良かったです。実は私、家ではベッドの柵外してるんですよ。だから時々片方の足がベッドから落ちてることがあります。そこでベッドの横に椅子を置くとうまくその上にチョコンと足を乗せてくれてたりします。寝返りはしないと思い込んではいけないのかもしれませんけどね。まあ90パーセントはないかな?もっとかな?