「父の日だからおとうさんとこ行くけど、来る?」
と言う息子。
父の日は4日前に終わってるけど、まあせっかくそう言ってくれたから、一緒に行く事にした。
本心は、孫に会えるのが楽しみなばーちゃんに過ぎない。
ホームの近くのレストランで食事してから、7時頃に夫の部屋へ着いた。
部屋の電気は点いていて、TVも点いていたけれど、夫はベッドで横になっていた。
目は開いている。
お父さん、皆来てくれたよ!と、言うと、夫はまあまあの表情で迎えてくれた。
ベッドのリクライニングを揚げて、出来るだけ家族の輪に参加している形にした。
1歳3ヶ月になった三番目の孫との久しぶりのご対面。

息子が、
「(夫が孫を)見たよ!」と嬉しそうに言う。
一緒に遊べなくても、ただ見てくれただけで喜ぶ、安上がり家族だ。
孫は、あやしてくれないおじいちゃんを、初め怪訝そうな表情で見た。
だけど、しばらくすると、そこに寝て居る大きな人が気にならなくなった様子で、おもちゃで遊びだした。
私は、夫のベッドに腰掛け、膝に孫を乗せた。
ふと思いついて、孫が遊ぶおもちゃを夫の胸に乗せてみた。
一杯乗せてみた。
孫は、おもちゃを取り返すべく、夫の体に手を伸ばす。
そして、何回目かに、おもちゃではなく、おじいちゃんの大きな胸に直接手を当てた。
小さな手が夫の胸に触った時、何だか言い知れぬ嬉しさが沸き上がってきた。
ただ寝ているだけの夫だけど、何だか、孫と一緒に遊んでいるかの様に思えたのだ。
今日も笑顔のツーショットは撮れなかったけれど、
私の心は、幸せで満たされた。

ごめん!
メグちゃんお留守番ごくろうさま。