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たべた

先月2歳になったばかりの三番目の孫を連れて夫の部屋に行った。


夫は、いつもと同じようにベッドで寝ている。


目は閉じられている。


お父さん、Tちゃんと来たよ。


と、声をかけてみるが目が開く気配はない。


孫は、「じーちゃん」と言いながらも、じっと横たわっている夫を見て、神妙な顔をしている。


何となく怖いんだろう。


そりゃそうだと思う。


笑ってくれない、声をかけてくれない、遊んでくれない、お目目も開かない「じーちゃん」は、2歳児の目には、ウルトラマンにやられて横たわっている怪獣に見えるかもしれない。


そんな怪獣を他所に、孫は、ちゃんと遊んでくれる「ばーちゃん」が大好きだ。


色々遊んでいるうちに、ふと気が付くと、夫の目が開いていた。


良い表情であたりを見回している。


今だ!と思った。


何が、今、なのかと言うと、孫の顔を見せることもそうだけど、もっと大事なのはおやつを食べる事。


先日H先生から、おやつは私が自由に食べさせて良いというお墨付きをもらった。


ベッドの背もたれを起こして、冷蔵庫からコーヒーゼリーを持ってきた。


ちょっとだけドキドキしながら、夫の口に冷たいゼリーを運んだ。


夫は、ちゃんと口を開けて、食べる、と言う意思表示をした。


単に口が開くのと、食べる意志がある時の口の開き方は違う。


ゼリーを口に含むと、カチカチと噛んで、ごっくんした。


のど仏が上下に動くのが小気味よい。


夫は、ゼリーを一個完食した。


夫が食べると、孫が覚えかけの片言で「たべた」と言う。


食べるたびに、「たべた、たべた」と、とても嬉しそうに笑う。


それを見ていて、ふとこんなことを思った。






例えが悪いので、顰蹙を買うかもしれないが、思っていることを書いてみる。


池の鯉に餌をあげる時、サーっと鯉が寄ってきて、ぱくぱくと大きく口を開けて餌を飲み込んでゆくのを見るのは面白い。


動物とのふれあいで、ウサギやシカやヤギなどが与えたエサを食べてくれると、何だかとても嬉しい。


サファリパークでライオンに生肉をあげた時は、わくわくした。


生き物が何かを食べている姿と言うのは、見ている人を幸せにするんじゃないだろうか。


人間と動物、まして、病に倒れ生きるか死ぬかをさまよっている夫を仲間に入れるのはどうかと思いつつ、


じーちゃんが、「たべた」ことで、あんなに喜んでいる孫を見て、きっと彼は、ウサギがニンジンを食べても、同じ笑顔で「たべた」と言うだろうと思った。


食べる、と言うのは動物の本能。


普段、私たち人間は、当たり前のように食べる。


山ほど食べ物が溢れて、好きな時に好きなものを食べられる幸せを、強いて幸せだと意識することなく、


美味しいとか美味しくないとか、今や贅沢三昧の食生活だ。


夫は今、新生児にまで成長を逆行し、もはや本能で生きている。


そんな夫が、口を開いてゼリーを「たべた」


それを見ている私は、最高に幸せな気分になれる。


食べてくれることは、何物にも代えがたい喜びである。


生と死のはざまに居るからこそ味わえる究極の歓喜である。


あとは、熱が出ない様、祈るばかりだ。





















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