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いつでも里親募集中

私には、昭和24年生まれ、夫と同い年の兄がいる。


遠くで暮らしているので、兄が夫に出会うのは、随分久しぶりのことだ。


もう7年も前、精神病院に入院していた時が最後だった。


一緒に部屋に入った時、夫はベッドの上で珍しく大きな目を開けて、あちこち見まわしていた。


お父さん、お客さんだよ。


と言って顔を覗き込む。


兄も、「○さん、久しぶりです。」と言って顔を見るが、視線は合うような、合わないような、と言う感じだ。


日ごろを知らない兄の目にはどのように映ったかは分からないけれど、


日ごろを知っている私は、今日は上出来だと嬉しくなった。


両方の目がパッチリと開いているだけで、充分嬉しいのだ。


毎度のことながら、安上がりの幸せだ。


20分ほど滞在する間、夫はずっとその良い顔を維持してくれていた。


まさか、久しぶりに兄が来たから、頑張ってくれた訳ではないことは重々承知しているが、夫ならではの気づかいと言うことにしておきたい。


「今まで、散々色んなことやって来られたんだから、ゆっくりされたらいい。」


穏やかな顔で横になっている夫を見て、兄はそう言った。


そして、一瞬夫が笑ったように見えた、と言う。


7年前、兄と一緒に夫に出会った時、「幸せそうに見える」と言った兄の言葉は、素直に私の心に入ってくることはなかった。


せっかくそう言ってくれたのだから、無理やりその言葉を受け取ることにするだけで精いっぱいだった。


不安と絶望で心は荒れ果てていた。


時が7年流れて、


去年おばあちゃんが死んだことも、あのことも、このことも、何にも知らないで、こうやってのんびり過ごしている○さんが、ある意味羨ましいわ。



何気なくそう言って、


自分のその言葉が、決して嘘ではなく、


無理に言っているのでもなく、


強がりでもなく、


今の自分の心境の一部を素直に表した言葉であった事に、もう一度ある意味びっくりした。


時の流れは、ありがたい。


溺れる事なくじっと我慢して流れに身を任せていれば、いつか何処かに辿り着く。


夫も私も、まだ流れの途中。


このまま、そっと流れて行こう。








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