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夜中、夫のベッドの脇に潜り込んでみた。


温かい。


そのまま眠りたかったけれど、夫の息遣いが耳に心地よくないので、やっぱり自分のベッドで眠ることにした。


メグちゃんが布団を温めてくれているので、ぎゅっと抱きしめて眠りについた。


そう言えば、ずっとずっと前に、悪魔が降りてきた夫から逃れるために、メグちゃんを抱きしめて、布団の中で息をひそめていたことがあった。


ふと、そんな事を思い出したりもした。


朝、


夫ののど仏は、律儀に上下して、息をしていた。


「おはよう!」


いつもの朝と同じ様に、笑顔で挨拶するも、夫からのお返事はなかった。


昨夜、ちょっとだけ目が開いた時があったので、ベッドを起こして、ゼリーを口に運んでみたが、やっぱり、もう食べたくないそうだ。


もう・・・・・・何も必要としていないんだな。


そのまま目が開いているので、真正面から顔を見せて、語り掛けた。


「お父さん、ありがとう。お父さんのおかげで良い人生だったよ。辛いこともいっぱいあったけど、楽しい事もいっぱいあったね。

私は、もう大丈夫だから、何も心配しないでね。お父さんと結婚して、本当に幸せだったよ。ありがとう、ありがとう!」


今までにも、何回も言って来たけど、これが最後になるんだろう。


夫は、じーっと私を見返してくれていた。


奇跡の涙なんかはない。


ただ、ただ、じっと見てくれていた。


最期の時に、もう一度伝えたいことを伝えられて、良かったと思う。


何も口にしない夫のリクライニングを下げて、もう一度ゆっくりとした態勢で眠ってもらった。





午後から、訪問看護があった。


いつものIさんではなくて、所長のOさんが来て下さった。


Oさんは、嘗て夫がとても酷かった時に、短期間ではあったが在宅に戻った時、お世話になっていた。


とりあえず、バイタルを測定したり、足やお尻の褥瘡を見てくださったが、お互い、もう夫を見送ることが暗黙の了解となっていた。


熱は、8度3分。


ずっとずっとずっと、同じ感じで眠っている。


良人の顔を見る時、下の方から見ると、上下するのど仏と大きく開いた口が視野に入るので、ちょっとしんどそうに見える。


角度を変えて、頭の方から眺めると、とても良い顔に見える。


嘗て私が大っ嫌いだった眉間のしわは、もう、ない。


この角度から見ると、とてもいい顔に見えるので、いつもこっちから見る様にしてるんです。


ご家族の気持ちが穏やかでいられるのは大事な事ですね。


前お世話になっていた頃は、苦しくて苦しくてどうしようもなくて、どうやったら夫を死なせてあげることが出来るんだろうとそればっかり考えてました。

今にして思えば、あの時・・・死ななくて良かったなと思います。



ご主人が、奥様の為に生きていて下さったんですね。


あの頃は、人からご主人は奥様の為に生きていると言われても、とても受け入れることが出来ませんでした。でも、今は、そうだったんだな、と、主人は私の為にここまで生きていてくれたんだなと思えます。

何も思い残すことはありません。特に、この4か月、家に連れて帰ってきて、何もかも自分がやりたい様にやる事が出来たので、本当に、何の心残りもないんです。

これで良かったと思えます。私がそんな心境になれるまで、主人が生きていてくれたんだと思います。

多分、私が食べさせたイモが誤嚥して肺炎を起こしたんだろうと思いますが、それでも良かったです。食べたいものを食べさせてあげられたし、大好きだったお風呂もいっぱい入れたし、2回だけでしたけど、車いすに乗って嘗ての自分の職場までお散歩することも出来たし、

今はもう、静かに寝ていたい、と言う感じですよね。このままそっと眠ってくれたら、それでいいです。本当に、良い人生だったと思います。



Oさんは、カウンセラーのごとく、黙って聞いて下さった。


思いがけず、心にあった思いを話すことが出来て、良かった。






その後、夕方、H先生が来られた。


先生が入ってこられた時、私は台所で夕食の用意をしていた。


先生が来られる直前に、ちょっとだけ目が開いたので、ベッドを起こしてお茶を口に運んでみたが、やっぱり夫は、もういらないよ、と口を閉じた。


先生と馴染みの看護師さんと私とで、夫のベッドを囲む。


そこにいる皆が、夫の安らかな旅立ちを見守ろうとしている。


治療しようとか少しでも元気にしようとか、そんな余計な考えを誰も持っていないのが、私に安らぎをもたらす。


先生が言われるには、


肺炎でもがんでも老衰でも、最後は同じ経過をたどる、


今は、呼吸が早いが、次にゆっくりになる、それから一時的に痰が多くなることがある、その後、下あごが少し持ち上がるような呼吸になって、そうなるとそこから一日位である、



そのようにちゃんと聞かせてもらって良かった。




昼間、Oさんとも話した話を、もう一度先生にも話した。


Oさんも先生も、長いお付き合いだ。




さっき、ここに入ってきた時、奥様が台所に立って、普段通り過ごしておられるのを見て、あ、これは大丈夫だなと思いました。



はい、私がそう思えるまで生きていてくれたんだと思います。主人には、感謝以外なにもないですね。




そう言うと、先生は、


ご主人、聞いてますよ。


聞いてますか?


ほら、涙が。


先生は、そう言って、テーブルの上のティッシュを一枚取って、夫の目を拭いてくれた。


ついでにもう一枚とって、そっと自分の目を拭われた。


夫を囲んで、その場がとても温かい空気に包まれた。


ここから先、何かしてあげることはありますか?



いえ、見守っていてください。





長い長い私の戦いもそろそろ本当に終わりに近づいてきた。









H先生の携帯番号も確認したし、


準備OKだな。











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