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時空の旅

来月から忙しくなって、春まで家を空けることが出来なくなるので、今年最後と思い実家へ行ってきました。先週の話です。
ヒロくんには、「おばあちゃんの様子を見に行ってくるね。」と言ったのですが、「そう。」と言うだけで、以前のように「(一緒に)いく。」とは言わなくなりました。

だんだんと理解が出来なくなっているのだろうと感じます。そうなると気楽に行けるので私にとってはgoodです。

気がかりなのは、2泊のお泊りの間のヒロくんの精神状態ですが、目の前にいない以上、心配しても仕方がないので、忘れる事にしました。

少し、私も図太くなってきたのでしょうか?

いえ、図太くなったのではなく、心配する事に疲れた、心配する気力が保てない、と言った方が合っているかもしれません。

「忘れたい」、「忘れて過ごせる時間が欲しい」が正直な気持ちかもしれません。





2泊、と言うのは、ゆっくり出来る日は真ん中の一日だけしかないので、やりたい事、行きたい場所、会いたい人は一杯いるけど、優先順位一位の事だけしか出来ません。


今回は、母と兄と一緒に、「過去」への旅をしてきました。

私が生まれ育った家は、父が転勤族だったので、子供の頃からあちこちへ引越しばかりしていました。

この年になると、過去に暮らした場所が妙に懐かしくなって、一度訪ねて見たいとずっと前から思っていたのが、ひょんなことから実現したのです。

私の兄は、24年生まれの今年還暦。つまりヒロくんと同い年で、春に退職して、その後は悠々自適に過ごしています。

時間がたっぷり出来た兄は、私の嘗てからの願いを叶えてあげようと、車を出してくれました。

最初に行ったのは、今の地に引っ越してくる前に住んでいた所で、引越し以来12年が経過しています。

山を切り開いた新興住宅街だったその地は、12年の間に景色をがらりと変えていましたが、ここには引っ越した後、友達に会いに何回か来ているので、感動は少なめです。





次に向かった場所は、私が小学校1年から5年まで暮らしていた所で、引越し以来、45年間一度も足を踏み入れた事がありません。

兄は、地図を見ながら、また嘗ての記憶を辿りながら、以前暮らしていた家の前まで正確に連れて行ってくれました。

家はなくなり、保育園になっていました。遊び場だった家の前の崖には、沢山の家が建っていました。

45年の歳月は、そこで暮らす人々の都合に合わせて景色を換えてしまいます。

それでも、お隣の表札は、記憶にある○○さんのままだったし、角にあったテニスコートはそのまま残っていました。

私より記憶が確かな兄は、思い出を確認しながら、細い道をゆっくりと車を走らせます。

私が通った小学校、兄が通った中学校も同じ場所にありました。とても遠くて、歩いてゆくのが大変だったような気がしていたのに、車で走るとすぐそこにありました。


一度行って見たかった「過去」へ思いがけず行く事が出来て、兄に感謝しつつ、帰路に着くのかと思っていると、兄は再び地図を取り出して、考えています。

もう一箇所、行くのだそうです。

そこは、私が生まれてから幼稚園に入る直前まで暮らした所なので、私自身にはほとんど記憶がないのですが、兄と母には懐かしい土地です。


途中でレストランによって、腹ごしらえをし、再び出発!、57年前に私が生まれた場所へ。

60年近くも前に暮らした場所となると、母と兄の記憶を合わせても、たどり着くのは難航しました。私は、「記憶にございません。」と、助手席で黙って座っているだけです。

兄が通っていた幼稚園が見つかり、母が買い物に行っていた地名が見つかり、何回も同じ道をぐるぐると走ってみたけれど、住んでいたアパートの場所にたどり着くことが出来ませんでした。

だいたい、60年も前のアパートが今も建っている訳はないのです。

兄が、「これで見つからなかったら帰ろう。」と言って、もう一度車をゆっくりと走らせていると・・・・

目の前に廃墟のような建物が現れました。都会の住宅街の中に、ひっそりと建っている壊れかけのアパートは、私の目には映画のセットのように写りました。

「あ~、これこれ!ここ、ここ!」

母と兄は同時に60年前にタイムスリップしました。

当時新築で、水洗トイレまでついていた最新式の2階建てアパートは、誰も住む人がいない廃墟となっていましたが、取り壊される事なく、まだそこにそのままに建っていたのです。

「角が管理人さんの部屋で、隣が○○さんで、うちはその隣、あ、ここ、このドアよ。ベランダも庭もフェンスも、そのままだわ。入って直ぐに台所があって、隣に6畳があって、その向こうに・・・・・」

懐かしげに母が話します。60年前の記憶が鮮やかに蘇っているようです。

「田舎のおじいちゃんが来たときに、ここのトイレは顔が洗える、って言ったのよ。」

本当におじいちゃんが顔を洗ったのかどうかは不明ですが、当時は水洗トイレなんて珍しかったのでしょう。

私は、57年前に自分が産まれた家、当時はきれいなブルーだったと思われる剥げたドアを、不思議な感覚で眺めました。

初めて見るけど・・・懐かしい。

昭和28年にこの家で産まれた女の子は、50年後に自分の旦那さんが若年性アルツハイマーになるなんて事は知らずに、人生を始めたのだわ・・・・

私が産まれたこの時から、もうこの運命は決まっていたのかしら・・・・?

神のみぞ知る。






母と兄と私の、過去への旅は、それぞれの胸にそれぞれの思いをよみがえらせてお開きとなりました。

「面白かったね・・・・・」と、帰路の車中は話が弾みます。


同じ家で家族として暮らした過去を懐かしむ思いは、3人に共通でしたが、私にはあと一つ、母や兄には分からない思いを胸に抱いていました。



それは・・・・・・



兄と一緒に行動すると、私は当たり前のように車の助手席に乗っていいし、分からない道も兄が地図を見ながら連れて行ってくれる。

夕方になったら、黙ってレストランへ行ってくれる。

何を頼もうかと、母とメニューを見ていて、なかなか決まらない時、「適当にいろいろ頼むから。」と兄が言って、頼んでくれる。

会計も兄がやってくれる。

私は、着いて行くだけで、何もしなくてもいい。



なんて!・・・・楽なんだろう。


ヒロくんが、病気でなければ、兄と同じ行動をしてくれているはず。私は、黙って着いて行くだけで良かったはず・・・・・・


なのに・・・・



今、私は当たり前のように車の運転席に座り、自分で道を確かめ、時間になったらレストランに入り、何を頼むかも自分で決め、会計も自分でして・・・・・・

そう、何もかも、「私」がしないと何も始まらない。何も終わらない。



大した事じゃないかもしれません。車の右に座るか、左に座るか、会計を誰がするか、なんて、大した事じゃないかもしれません。


でも、でも、その「大した事じゃない」事が、もう何年も何年も積み重なって、肩にのしかかる大きな大きな重荷となっているのです。

何もかも自分でしなくちゃいけない・・・・って、普通の主婦には重圧なのです・・・・・


昭和24年生まれ、還暦の兄。


ヒロくんがもし元気だったら・・・・・


ハンドルを握る兄の横顔をちらっと見ながら、私は「擬似普通の夫婦」体験を密かに楽しんでいたのです。






これ、母にも、兄にも・・・・・内緒です。

















コメント

時空の旅、ステキな響きです。
momoさんはお兄様がいらしてちょっと羨ましいです。


夫が障害者になってから、momoさんがおっしゃるような事を何度も、何度も感じました。
私の指定席だった助手席は交替に夫が座り、行き場所だけでなくすべてが私が決めなくてはなりません。

頼り切っていた夫に頼れなくなり、娘に頼るのもはばかれ(何故か娘は守るもの、と思いこんでいて)世間の荒波の前にひとり立ちはだかっていた頃がありました。
弟がいますがやはり弟は年下、甘えられませんね。

甘える人がいなくなって・・・
でも、甘えられなくてもいいから、お下の世話も何でも平気だから夫にいて欲しい。

そして、今はひとり、これからの人生を語る相手もなく、なんでも自分で決断しなくてはなりません。


甘えられる相手

兄は兄の立場で心配してくれますし、息子たちは頼りになります。

決して一人で荒波に向かっている訳ではないと分かっていても、やっぱり心から甘えられる相手って・・・・

生涯ただ一人ですね。



朝夕涼しくなってきました。ベンジャミンさん、お風邪など召されませんように・・・・・

そうですね..

何もかも自分で しなくちゃならない...

そうですね..本当に...
しなくちゃいけない..やらなければならない...
あれも..これも...と、たまってくると
押しつぶされそうになります。

お寺の事..町内会の事..あれやこれやの手続き..
仕事..実家にも顔をだし..娘の稽古事..

どれかひとつでも、誰かかわって~と
叫びたくもなります。優先順位をつけ手抜きできるところは、抜くんですけど....それでもなかなか...ね..

心から甘えられる相手って...
いないな....つらいな..しんどいな...

でも家族の笑顔があるから、今の所なんとか
頑張っています...なんとかです...
いっぱいいっぱい....です

おんせんたまごさん、

つらいですよね・・しんどいですよね・・もう、いっぱいいっぱいですよね・・・

それでも、「笑顔」があれば、何とか明日に繋がりますね。

主人の笑顔は、それこそ砂漠の中の一粒のダイヤの如く輝きを放ってくれますが、正に広大な砂漠の中の一粒なので、めったにお目に掛かる事が出来ません。

せめて私だけでも、と、メグちゃん相手に笑って過ごすように心がけている日々です。

2回目の投稿です。

想い出のアパートがあって、よかったですね。
私には兄はいません。腹違いの弟が二人父はもう居なくて育ての母はアルツハイマーで施設に入居しています。
遠くの施設でこの状況なので、5月に面会に行ったきりです。弟にもそれぞれの生活があります。出会うのは父の法事ぐらいになりました。時空を超えた旅行すごくうらやましかったです。

ゴールのママさん

親兄弟と言えども、離れて暮らしていると、顔を合わせるのが法事の時位と言う事は良くありますよね。

私も、こんな旅は、最初で最後かなと思っています。

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