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いつでも里親募集中

お葬式

お隣のおじいさんが亡くなりました。

前日、ヒロくんのお迎えが来た時に、たまたま外を歩いておられたので、「おはようございます。」とご挨拶をしました。


風がとても強い日で、おじいさんは「さむいねぇ」と言って、歩いて行かれました。


足取りはしっかりしていて、とても良い笑顔でした。


それが、おじいさんを見た最後となりました。


おじいさんは、翌日倒れ、あっと言う間に帰らぬ人となってしまいました。


人間の命は、なんて儚い事。


昨日、言葉を交わしたその人が、今はもう・・・いない。


おじいさんの顔は、静かに眠っている様でした。


優しい人でした。


他所から来た私たち家族に、とても親切にして下さいました。


畑で作った野菜を「これ食べる?」と、いつも一杯届けて下さいました。


ヒロくんが出来なくなった薪割りを、私が細々とやっていると、「見てられないよ、貸してみな。」と言って、私の手から斧を取り上げました。


昔取った杵柄・・・・・太い丸太が、あっと言う間に割れて行くので、私は惚れ惚れしておじいさんを見つめたものでした。


次男のコウが、自分も畑を作りたいと言い出した時、「良い土を分けてやるよ」と言って、自分の軽トラックで何回も何回も黒い良い土を運んでくれました。


ありがちな話で、自分の息子とは折り合いが悪く、ほとんど話をしないと言う噂のおじいさん。


そのせいかどうか、コウをとても可愛がってくれて、「コウちゃん、コウちゃん」と言って、お誘いをかけてくれた日が、懐かしく思い出されます。


おじいさんは迷い込んで来た雑種の黒い犬を可愛がっていました。


クロちゃんと名付けられたその犬は、リードを付けないでいつも近所をウロウロしていたので、ちょっとした嫌われ者となっていました。


誰かが通報したのか、保健所がクロちゃんを連れて行ってしまった時、おじいさんは狂わんばかりにクロちゃんを探しました。


連れ戻されたクロちゃんは、ストレスでしばらく入院するはめとなりました。


それでも、おじいさんはクロちゃんにリードを付けることなく、いつも遠目にクロちゃんの姿を見守っていました。


軽トラの助手席にクロちゃんを乗せて、畑に行くおじいさんの嬉しそうな顔が浮かんできます。


クロちゃんが死んでしまった後、3ヶ月間立ち直れなかったって言ってたおじいさん。


今頃、クロちゃんと再会を喜び合っている頃かな?










でも、今回の話題は、そんな追憶を、ちょっと脇に置いておきます。


今時の都会の生活では、考えられないと思いますが、「田舎のお葬式」は大変です。


最近では、どこの家も、近くに出来た会館を利用するので、大変さも十分の一位になりましたが、10年ほど前までは、自宅で通夜、葬式をするのが、珍しくありませんでした。



近所の誰かが亡くなった、と連絡が入ると、そこから何日間かは、何処の家の男性も、仕事を休んで、葬式のお手伝いが最優先事項となります。


仕事が忙しい、なんて誰も言えません。


奥様方も、もちろんお手伝いです。


大勢集まって来る人たちの、食事の炊き出しに始まり、お客様へのお茶の接待、葬儀の時間帯の留守番係りなどなど・・・・


12年前に引っ越してきて、比較的直ぐに体験した自宅でのお葬式の手伝いをしながら、「田舎!」を実感した私でした。


ご近所皆が助け合う「田舎」、良くも悪くも「田舎」です。





お隣のおじいさんのお葬式は、会館で行われました。


だから、そんなにお手伝いする事はないのですが、やはり恒例の呼び出しがかかりました。


8軒ある近所の各家から一人が出て、喪主さんにお手伝いを申し出る事になります。


何処の家からも中心人物となるご主人が参加します。


奥様方は、お茶出しなどのお手伝いに回ります。


ご主人様たちが7人集まり、話が始まりました。


考えてみれば、ヒロくんがこう言う行事に参加出来なくなってから始めてのお葬式です。


私は当然のポジションとして、他の奥様方と一緒に台所に居たのですが、それは間違っていたようです。






「あなたはあっちに行かないとダメよ。ご主人いないんだから。」







そう、各家から一人代表者が出て話し合うとき、それは「私」が出なくてはならないのでした。


主人が病気なら、そのポジションを空けても良いのではなく、代わりの誰かがそこを埋めなくてはならないのが田舎の掟?でしょうか。


会館で行われるので、実際にお手伝いする事はあまりありません。


現に、一人がお坊さんの送迎係りとなった他7人は、皆で受付をしようと言うことになりました。


通夜の日は、夕方ヒロくんが帰ってきます。私は、絶対に出られません。


「いいよ、いいよ。6人も居るんだから、無理しなくていいよ。」


と言う、皆さんの言葉をそのまま素直に受け取る事にしました。


翌日の告別式の日も、火葬場まで行くと、夕方の帰宅に間に合わないので、会館でお見送りして帰ってきました。


世間のお付き合いに制約が出来てしまう、私の今の生活。


皆、事情が分っているから、いいよいいよ、って言ってくれるけど、何となく肩身が狭いのです。





「何をするかが大事じゃなくて、そこに居るかどうかが大事なのよ。」


ベテランの奥様がそう言われました。




12年前までずっと都会の生活しか知らなかった私です。




田舎って・・・・・大変。



でも、これがまた田舎の良さでもあるのです。


現代社会では忘れられつつある、近隣の相互扶助。



我が家こそ、助けてもらわなくてはならない日が迫っているのかもしれません。









家の代表として出席しなくてはならない事が、いやなのではありません。








ただ・・・・・・





肩に降りかかってくる空気が、私の所だけ、ちょっと重いのです。






あ、違う。




降りかかってくる空気は、皆と同じだけど・・・・・




私の頭上だけ・・・・・傘が・・・・






ないんだ。







コメント

家長として・・・

ヒロ君が果たしてくれていた家長としての近所とのおつきあいまでmomoさんにかかってくる。
重いですね。
介護を抱えた身にはなおさらでしょう。

家長という言葉は、古いかもしれませんが、家を背負ってくれる男の人の存在はありがたいです。

将来的には、ご長男のケン君が担ってくれるのでしょうか。

住んでいるところ、それぞれに、いろいろありますね。
ただ、去年の新年会でしたか、みなさんがヒロ君に温かかったという印象を受けましたが・・・

気遣い

私は、主人が空けた穴を埋めて、周りに迷惑を掛けないようにと気を使います。

周りの人は、「ご主人でなくても、他の誰でも良いんですよ。今までと同じお付き合いをしましょう。」と気を使ってくれているのだと思います。

この病気の人が近所に居ると、周りの人もどう接するのが一番良いのか、悩みかもしれませんね。

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