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いつでも里親募集中

Yさんは、言いました。



今の、momoさんのその気持ちをTさんにそのまま話して御覧なさい。そして、本当の所はどうなのか、聞いて見たらどうですか?


でも・・・・家族の方って、そう言うところまで心配されるんですね。




私は、一瞬Yさんは何を言っているのだろうと思いました。



そして、ちょっと間をおいてから答えました。



当たり前じゃないですか。大切な家族を置いてくるのですから、そう考えるのは当たり前じゃないですか。



そうですね・・・・






もう、時間がないので、Tさんに電話する以外の方法は考えられませんでした。



私は、受話器を取りました。



そして、相変わらず明るく元気な声のTさんに、「言いにくいのですが・・」と、前置きした後、今の気持ちをそのまま正直に話してみました。




Tさんは、じっと私の話を聞いたあと、こう言われました。



すみません。ただでさえ、迷っておられる所に、こんな余計な心配までおかけして、本当に申し訳ありません。


うちの理事長は、リーダーシップがあって、やると決めたら絶対にやるんだ、と言うタイプの人なんです。だから強い信念をもって、病院をここまで引っ張ってきたのです。



ただ・・・患者さんに対して、と言うより、人に対して、優しく接すると言う事が苦手なんです。



病棟内で、携帯電話を使うと言う事など、私もとんでもない事だと思いますし、他のご家族からも、横柄な態度のあの人は誰ですか、と言われた事もあります。




Tさんの答えは、とても正直でした。



明日の入院を止めてしまおうかと思うほど、ショックを受けた、と言うと、Tさんは話を続けられました。



本当に申し訳ありません。K病院と言うのは、これまでにかなりの業績を残してきた病院である事は事実です。ですから、入院されるに当たって、そういう期待をお持ちだったと思います。


でも、中々完璧と言うわけには行かなくて、私が見ても、もうちょっとちゃんとして欲しいと思う医師もいますし、介護の現場でも、患者さん本人やご家族に対して、そんな言い方しなくても良いんじゃないの、と思う場面もあります。


ただ、そういう至らない事を精一杯正して行く様、努力はしています。完璧になることなどないと思いますけれど。




Tさんは、本当に誠実な方です。



こんな事お話しても仕方がないかもしれませんが、私はこの病院に入って今年で10年目になります。


今までずっとここでやって来られたのは、新人の頃、何も分らない私の考え方や意見なども、先輩方がちゃんと聞いてくれて、どうしたら患者さんの為になるかを皆で考えてゆく、と言う雰囲気があったからです。


それは、今でもずっと変わりません。現場の者は、皆、患者さんの為に、と思いながら働いています。


看護士長も、決して愛想は良くありませんが、患者さんにとって必要なら、自分で泊り込んでお世話をしたりもしています。




私は、さっき紹介されたちょっと無愛想なおばちゃん看護士さんの顔を思い浮かべました。



Tさんの話を聞きながら、私はやっぱりK病院の現場は良い、と思いました。



ただ、ついさっき見てきたばかりの理事長さんの姿が、あまりにも強烈で、せっかくのTさんの誠意もかき消されてしまいがちでした。



それにしても、入院は明日に迫っています。何を、どう考えるにしても、時間がありません。



そして、決断するのは、やっぱり私しかいないのです。






どうしようか?






一旦電話を切った後、Tさんから助け舟が向けられました。



看護士長に話してみたんです。そうしたら、奥様がそういうお気持ちでおられるなら、少し時間を置いた方が良いのではないかと言いました。


今の病棟は、動きがありますので、しばらく日にちが経っても、入院できなくなると言う事はありませんので、一週間くらい時間を置いて考えて見てください。




Tさんのこの申し出は、本当にありがたいものでした。



とりあえず、明日、入院させなくても済む。それだけで、私の心は安心感で満たされました。



良かった、良かった。



先のことは、また考えないといけないけど、とりあえず、「今」は、これで良かった。



淋しさに耐えられるかどうか心配だった、「最後の夜」も、いつも通りの夜になった。



「明日の朝」も、変わらない朝が迎えられる。



ヒロくんが、いつもと同じ様にそこにいる。



そう思うだけで、心からほっとしている自分がいたのです。



続く・・

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