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いつでも里親募集中

「奥さんと一緒に来てください」・・・・って、まるで映画みたい。 この時点で既に死の宣告を受けている感じです。

嫌だ、嫌だ、行きたくない、行きたくないよ。どんなに嫌だと思っても、その日は当たり前のように訪れてしまい、私は重い重い足を引きずって、ヒロくんと二人病院へ行きました。


白衣のお医者さんは、まるで風邪の症状でも尋ねるかの様な口調で

「今日は何月何日ですか?」

「季節はいつですか?」

「ここは何処ですか?」

「ここに5つの物があります。覚えてください。隠しますよ。」

「次の言葉を覚えてください。後から聞きますよ。さくら・電車・・・・」

「100引く7は?」



もう止めてください!もういいです、と私は心の中で叫びました。



先生は、静かに私の方を見て、「こんな小学生でも出来る計算が出来ないなんておかしいと思いませんか?」と言われました。


ひどい・・・・本人の目の前でそんな事言わなくたっていいじゃない。デリカシーの無い医者。


私達は無言で診察室を出ました。廊下に出た時、一瞬ヒロくんと目が会いました。あの時のヒロくんの表情は今でも私の脳裏に焼きついています。


驚き?・・・・・違う。

悲しみ?・・・・・違う。

怒り?・・・・・違う。

絶望?・・・・違う。

どこかのおかみさんが囁いた様な「頭が真っ白になった。」と言う表現とも若干違う。

むしろ笑っているようなその表情に強いて言葉を探すなら「とまどい」でしょうか。

それまでの常識ではあり得ない様な事態が降りかかってきた時、人はこう言う表情になるのでしょうか。それなら、私もきっと同じ表情をしていたのでしょう。

今まで築いてきた人生の終焉の予感、これから先の未知の世界への恐怖、それらがぐちゃぐちゃになって燃え上がり、大きな火の玉となって、お腹の底から胸・喉・顔面・頭を焼き尽くし、さらに体中を駆け巡っています。

大きく深く息を吸わないと酸欠で倒れてしまいそうです。


私達は、無言で廊下を歩き、無言で会計を済ませ、無言で車に乗り、無言で家に帰りました。家に着くまでの間に、二度と目を合わせる事はありませんでした。

確か映画では、病院の階段で夫婦が抱き合って慟哭し、「私が一生あなたのそばに居ます。」なんて、樋口可南子さんが気の利いた台詞を言っていましたね・・・・・・




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スリブリさん

温かいコメントを頂きありがとうございます。

同じ思いを抱えて日々を過ごしておられる方々が、私のブログを読んで、ほんの少しでも元気になる瞬間があるとしたら、こんなに嬉しい事はありません。

どうぞよろしくお願い致します。

気持ちがわかります

若年性アルツハイマーという診断ではないのですが、病気になってしまって夫は、体の重度の障害と脳で記憶を保てなくなってしまいました。まだ37さいです。私の相談ものってもらえなくなって、どうしていいものかわからなくなり、将来心配です。子どもたちもまだまだ幼いです。ただ、育児と介護ができないとわかったため、夫は自分の実家に戻りました。
私たちは、休みの日に、夫に会いに行きます。
お気持ちがわかります。ただ1日、1日を生きるだけです。またここに遊びにきます。

なえさん

はじめまして。コメントありがとうございます。

読ませていただいて、まだまだお若いご主人様のご病気と、小さい子供さんを抱えたなえさんのお気持ちを思うと、本当に胸が痛くなりました。

ご主人様とご家族に皆様に、穏やかな時間が少しでも沢山訪れます様に。

また、なえさんと子供さんたちが出来るだけ笑顔で過ごされます様に、と心よりお祈りいたします。

どうぞお体に気をつけてお過ごしくださいね。またのお立ち寄りをお待ちしています。

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