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いつでも里親募集中

ヒロくんの、昔の友達夫婦が遊びに来られました。突然に。



結婚前から知り合いだったので、もう30年以上の年月が流れています。



子供の年齢が、大体同じ位だったので、家族ぐるみで遊びに出かけたりして、一時期は随分仲良くしていましたが、子供の成長と引越しなどがあって、いつの頃からか、年賀状のやり取りだけの交際となっていました。



でも、若い頃、一緒に遊んでいた仲間と言うのは、何年、何十年会わなくても、変わらずすっと友達で居られることが、この年になると殊更嬉しく感じられます。



Mさんご夫婦が来られた時、ヒロくんはデイに行って不在でした。



私の顔を見て、ご主人が「(自分が誰だか)分りますか?」と聞かれましたが、お互いに年を重ねた30年は、とても公平で、直ぐに、昔の楽しかった記憶が蘇ってきました。




「分りますよ~。」と、返事をすると、その場の3人は、瞬く間に、20代、30代だった頃と、同じ関係に戻ることが出来るのです。



この、心の中に充満する懐かしい暖かさがたまりません。



友達って、ありがたいなと思う瞬間です。



30年ぶりの話は弾みました。子供の事や今の仕事の事、お互いの両親の消息・・・・などなど。







ひとしきり話した後、



「今日、ヒロくんはお出かけ?」



私が恐れていた、でも、成り行き上当然の質問が向けられました。



ここに到るまで、懐かしい会話をしながらも、私は心の中で、ヒロくんの事をどのように話そうか、ずっと考えていました。



離れて暮していたMさんには、ヒロくんの病気の事は何も知らせていませんでした。知らせる必要が無かったからです。



隠す必要は無いけど、積極的に話す必要も無い。必要があれば話す、必要が無ければ話さない。話したければ話す、話したくなければ話さない。



ずっとそう思いながら生きてきました。



そして、今まで、Mさんには、話す必要が無かったので、話していませんでした。



ただ、こうして目の前で顔を見ながら聞かれると、強いて話さない理由は無くなってしまったのですが、あまりに急な出来事だったので、私は心の整理がつかないままに、つい「ええ」とだけ答えていました。



確かに、出かけていることに違いないのですが、その行き先がデイである事は言い出せないままにMさんご夫妻は帰ってしまわれました。



それがね、主人はもう7年も前からアルツハイマーになってしまって、今、お年寄りと一緒にデイでお世話になっているんですよ。

Mさんのこと?もう、絶対に分らないですよ。だって、私の事だって時々は分らないんですもの。

夜間せん妄、って知ってます?完全に混乱してしまって、殴りかかって来たりするんですよ。時々TVでやってるの見たことありませんか?あの通り、いえ、現実はもっと悲惨ですよ。

あの頃、あんなに優しかった主人が、こんなになるなんて、信じられないでしょう。でも、現実なんです。私たち、毎日地獄の中で過ごしてるんですよ。




あまりにも、懐かしく楽しく笑いに満ち溢れたその短い時間に、こんな事を言い出せる空気は無かったのです。



Mさんは、また時々遊びに来る事を約束して、「ヒロくんによろしく!」と、笑顔を残して帰っていかれました。



私は、車の中からあふれ出てくる笑顔の余韻を感じながら、これで良かった、話さなくて良かった、と思いながら、Mさんご夫婦を見送りました。








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