「朝からずっと良い笑顔で、落ち着いて座っている事が多く、混乱は全く見られません。」
連絡帳にこんな記述がありました。
終日、悪い事が無いというのは、めったに無く、とても嬉しく読みました。
でも、ちょっと気になるのが、その記述の後に、修正テープがずーーーーと、続いていた事です。
何かを、消した。
こうなると、何が書かれていたのか、気になるのが凡人の悲しさです。

謎は、簡単に解けました。
ページの裏側から見ると、消された文字が読み取れます。
何らかの理由で消された文字を読み解くのが、ちょっと気が引けましたが、もう戻れません。
修正テープの下には、この様な文字が隠れていました。
「昼食後、廊下を行ったり来たりしている時に、女性利用者さんの肩をトンと押して、転倒させてしまいました。」

あ~あ・・・・・なんて事・・・・・・おばあさんに怪我はなかったかしら・・・・・
認知症の人たちを複数看ている現場の職員さんたちは、本当に大変だと思います。
こんな出来事があっても、幼児みたいに、「お友達にこんな事したらいけませんよ。」と言う訳にもいかないだろうし・・・・
仮に言って聞かせる事が出来て、「はい、分かりました」と良い答えが返ってきたとしても、5分後にはすっかり忘れられているだろうし・・・・・
かと言って、全ての時間と空間に目を行き届かせるのも、現実問題として無理でしょう。
そんな現場でのご苦労だけならまだしも・・・・・
その事実を家族に伝えようと思って、一旦連絡帳に書いたけれど、やっぱり知らせるのは止めておこうと言う事になって、修正テープで消した。
きっと、家族への心理的影響を考えて下さったのではないでしょうか。
一旦書いて、再び消す、と言う単純な作業の後ろで、ケアマネさんを始め、何人もの職員さんが、時間を沢山使って、伝えた方が良いのか、やめた方が良いのか、さんざん話し合われたのではないかと思います。
こんな気遣いまでして頂いて、介護現場の職員さんたちのご苦労に、感謝の気持ちを伝えたいものの・・・・・
やっぱり、修正テープの裏側の文字には、気がつかなかった事にしておかなくてはね。
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