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いつでも里親募集中

ヒロくんと、約束の指切りをしてから一年が過ぎました。


この所のヒロくんは、再び苦しみのサイクルに入ってきた様で、眉間の皺が強く浮き出るようになって来ました。


私が、大嫌いな眉間の皺です。皺だけではなく、表情そのものが苦しみで彩られています。


奇跡的な笑顔の写真ばかりじゃ、公平ではないので、苦しそうな辛そうな顔も記念に撮っておきましょう。



DSC02761.jpg DSC02762.jpg











最近、時計の様に4時に目を覚まします。


トイレに行った後、もう一眠りしてくれるとありがたいのだけど、明るくなりつつある外に勇気を得て、そのまま起きる事が多くなりました。


日中の暑さがうその様に、開け放たれた窓から流れ込んでくる冷気が肌に冷たく、もう夏が終ってしまう事を教えてくれています。


小鳥のさえずりが、耳に心地よく響き渡り、高原の避暑地に居るような錯覚を起こしてしまいそうな我が家です。


そんなさわやかな朝なのに、我が夫は、その空気を楽しむ事もせず、小鳥のさえずりに耳を傾ける事もなく、眉間に皺を寄せながら、怒りに囚われています。


何故?こんなにさわやかな朝に、いったい何を怒っているのでしょうか?



どうしてそんなこといって、なんだよ、そんなことやって、どうして、どうして、

ひょっとしてあそこ、どーしてそういうんだ、やって、やって、やって、

どうしてそんなやって、どうして、どうして、はやく、なんで、やって、やって、

もうどうして、どうしてそんなことできんの?



何かが怖い、何かが分からない、彼の頭の中は、「何もかも分からない」不安で一杯なのでしょう。


心配な事があるの?


と、聞いてみました。


彼は、即座に、怒ったように、こう答えました。


いっぱいあるよ!



かわいそうに。


頭の中にはどうしていいか分からない心配が山ほどあって、それでも、何が心配か分からない、何をどうすれば良いのかも分からない。



「認知症になると、何もかも分からなくなるから、幸せ」



以前、どこかのTV局で、優しさに溢れる出演者の皆さんが、そう話していたことを思い出しました。


そして、同時に百恵さんが言っていた言葉を思い出しました。


「何もかも分からなくなるって、こんなに怖いことはないわよね」



やはり、この道は、歩いた人でないと分かりません。


何もかも分からなくなる恐怖に、ヒロくんの心は潰されそうになっているのかもしれません。


でも、私にはもう、彼をそこから救い出してあげる方法が見つけられません。


今の私に出来る事は、ただ、そばに居る事だけです。


彼が天国に召されるその日まで、一緒にいる、それしか出来る事がありません。


大丈夫だよ。

ずっと、ずっと、私が一緒に居るから何も心配しなくてもいいよ。

怖い人は誰もいないし、

嫌なことも何もないから大丈夫。

ずっとずっとここに居るから。

ここはヒロくんのおうちだから、

心配しないで大丈夫。



私は、思いつく限りの言葉を、出来るだけゆっくりと、一つ一つの言葉をはっきりと聞こえるように話しました。


ヒロくんの表情がだんだんと緩んでくるのが分かります。


言葉、通じているのかな?私は、むしろその事が驚きでした。


ここは、ヒロくんのおうちでしょう?


うん


だから、心配な事はなにもないでしょう?


うん


ここで、私と一緒に、ずっと暮していこうね


うん


どこにも行かないで、ずっとこのおうちで一緒に暮そうね


うん


ヒロくん、おうち好きでしょう?


うん


じゃあ、二人で死ぬまで一緒に暮そうね


うん


そんな怖い顔しないで笑って


うん


ヒロくんが笑ってくれたら嬉しいよ


うん




何を言っても、ヒロくんは「うん」としか答えてくれません。


やっぱり、私の言ってる事は通じていないんだろう、ただ、何か言われているから「うん」とだけ答えているだけだろう。


そう、思った時、



わかった



と言う言葉が聞こえてきました。


鳥肌が立ちそうでした。


「分かった?」と聞かれて、「わかった」と言ったのではなくて、私が何も言わないのに、自分から「わかった」と言ってくれたのです。



分かってるんだ、私が一生懸命話していたことが、ちゃんと分ってくれたんだ。



ヒロくんの、穏やかになりつつある表情と「わかった」の言葉で、私はそう確信する事が出来ました。



まだ、まだ、「何もかも分らなくなって」なんかいない。



じゃあ、約束ね


うん




一年前の約束は、「まだ死なない事」でした。


今日の約束は「ずっと一緒に暮らす事」


でも、ヒロくんは、一年前みたいに小指を差し出してはくれませんでした。


この約束が難しい事、彼は本能的に分かっているのだろうか・・・・・・






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コメント

やっぱりわからなくなる事って怖いんですよね。

介護する側は頭では分かっているけれども
イライラしてしまいます。。。

「天国に召されるまでずっとそばにいる。」
読んでいて涙がこぼれました。

私も母が不安にならないようにずっと傍にいたいいと思います。

・・・とはいえ、
自分の幸せも考えたい複雑な子供心ですv-159v-159v-159

fumiemonさん、

こんにちは。暑い毎日ですが、お母様、お父様はお変わりありませんか?



子供たちは、この生活に翻弄される事なく、自分の人生を歩んで欲しい、自分の幸せを掴んで欲しい。

私が息子たちに一番に願っている事です。


fumiemonさんのお父様もお母様も、きっと同じ思いだと思いますよ。

「自分の幸せ」一杯探してくださいね!

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