FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

「私の事が分からなくなったら施設に入ってもらおうと思います。」


そう言った私に対して、ケアマネYさんはこう言われました。



「そうですねぇ、良く皆さんそう仰るんですけれど、特に・・・・ご夫婦の場合は、それが、そうはいかない事が多いのですよ。」



2年前の会話です。



その時は、Yさんの言われる「意味」が分かりませんでした。



私の事が分からなくなったら、もう家に居る必要はないし、私が介護する意味がない、と思っていました。



どこか、良い施設を探して、プロの介護士さんに看て貰った方が、夫の為、そして私の為、と信じて疑う事はありませんでした。



私を見て、妻だと言う事も分からず、名前も分からず・・・そんな夫と一緒に暮らしている自分は想像できませんでした。



ところが、僅か2年で、それが現実のものとなりました。



はじめて「だれ?」と聞かれた衝撃の日以来、夫が、私を妻だという事をどの位認識しているのか・・・・・・それが分からなくなりました。



ただ言葉に出せないだけで、実は分かっているのかなと思える時もあれば、もう全然分かってないに決まってる、と思う時もあります。




私、奥さんだよ、分かる?momoさんだよ、分かる?



などと、時々無駄な問いかけをして見ます。結果はやはり、無駄な努力と言う事が分かるだけです。




ねえねえ、どーなのよ?分かってんの?分かってないの?はっきりしてよね



と、言いたくなる反面、最近は、別にどっちでもいいかな、と思う気持ちの方が強くなっている自分に気がつきます。



私が奥さんだと分かっていてもいなくても、今いる場所が自分の家だと分かっていてもいなくても、ヒロくんにとって、今、この場所が一番安心できる場所であって、ここにいるこのおばさんが、一番一緒に居たい人だと言う事だけは事実のようです。




なら・・・・それでいいじゃん。




夫婦はやっかいです。二人だけに通じる常識で動きます。それは何年、何十年に渡って、二人だけで育んできた物なので、他の誰も間に入る事は出来ません。




全く・・・・・夫婦って、やっかいなもんですね。




Yさんが二年前に言われた「意味」は、案外こんな事だったのかもしれません。








夫はもう、殆どの言葉を失くしてしまいました。



この表現は正しくないかもしれません。



頭の中では、何か「言葉」で考えている事があるのかもしれません。



それを、形にして外へ出せないだけなのかもしれません。



「かもしれません」ばかり続きます。何もかも、想像でしか分からないからです。




言葉がなかった大昔はどんなだったのかなと考えます。



妻、夫、名前、家、家族、



そんな概念が一切存在しない世界だったら、どんな風に人間は暮してゆくのでしょうか?



そんな世界でも、きっと自分の居心地のいい場所とそうでない場所があり、また、傍に居てくれると安らぐ人とそうでない人が存在すると思います。




第一作目の「サルの惑星」で、言葉を持たない人間の女の子をチャールトンへストンが、旅に連れ出す場面があります。



砂に埋もれた自由の女神を発見して、「地球だったんだ。帰ってきていたのか」と慟哭する衝撃のラストシーンですが、その時の彼女は、泣いている彼をとても心配そうに見つめていました。



言葉を持たなくても、彼が誰なのか分からなくても、彼女の心は彼に寄り添い、共に生きている。




何が言いたいんだか、分からなくなりましたが、一緒に居て一番安らぐ人だと、ヒロくんが感じてくれているなら、それでいいかな、と。






まあ、世の中には、しっかりと夫婦であることを認識していながら、お互い、安らぎとは程遠い存在となってしまっている夫婦もあるかもしれないし・・・・





たとえ、私が彼の奥さんだと言う事が完全に分からなくなっても、「この人」と居たい、と思ってもらえるなら・・・・それでいいかな、と。






DSC03079.jpg



DSC03098.jpg



DSC02968.jpg







コメント

こんばんは

二度目の脳梗塞を起こしてから亡くなるまでの約1年、首から上しか動きませんでした。
でも何も話さない。
私も娘も「お願い、言っている事が分かったら瞬きして」って毎日のように言っていました。
そんなドラマって、ありましたよね。
私の言っている事が分かっているような、いないような。
分かっているのかもしれない、です。

でもきっと亡くなる寸前まで分かっていたと、信じています。
もっともっともっと、話しかければ良かったです。

ベンジャミンさん

こんにちは。

ご主人様は、最後まで絶対に奥さまとお嬢様の声が聞こえておられたと思います。一生懸命、「瞬き」しようとしておられたに違いありません。

我が家は、トンチンカンではあっても、まだまだ受け答えしてくれるので、それに感謝して、もっともっと今のうちに「会話」を楽しんでおく事にします。

ほかの人には理解不能の、二人だけの「会話」です。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |