美しいコスモス畑に癒されて、ショックの連鎖は断ち切れたかに思われましたが、現実はそんなに甘くない事を、翌朝思い知らされる破目となりました。 お迎えに来られたのは、いつもニコニコ顔のおじさんです。多分、ヒロくんよりは年上らしきそのおじさんの笑顔に私はいつも癒されます。
2日前にお借りしていた白いジャージをお返しすると、「今日は、着替えは余分に入れて頂いていますか?」と、おじさん。
「はい、パンツ3枚とズボン2枚入ってます。もし、足りなくなったらTELして頂ければ10分で届けますけど。」と、私は暗にオムツは勘弁してと匂わせたつもりでした。
失敗はオシッコだと聞いていたので、私はヒロくんのパンツが足りなくなってしまった原因は、トイレが上手に使えなくて少し濡れてしまう程度を想像していたのです。家でもたまにはその程度の事はあるので。
ところが、どうもおじさんの表情には、言い難いけどもっと大変なんですよ、と言う発信があります。
「ちょっとじゃなくてそんなに沢山出てしまうのですか?」・・・・・・Yes.
「トイレで間に合わないんじゃなくて、全然別の場所で、気がついたら全部出てしまったりしているのですか?」・・・・・・Yes.
おじさんは言い難そうに言われます。
「初めの頃はそんな事無かったのですが、最近どうしたのでしょうね・・・やはり・・・・進行しているのでしょうかね・・・・」
進行・・・・・・一番聞きたくない単語です。Nホームさんに通うようになってから、まだ2ヶ月位しか経っていないのに。
「でも、大丈夫な時は、全然大丈夫なんですよ。」と、おじさんは私を慰める様に付け加えて、ヒロくんを乗せた車を出発させました。
ヒロくんが喜んでデイに通い始め、笑顔が出てきて元気になったのは、紛れも無い事実ですが、そんな表面上の変化とは別の、もっともっと深いところで、この病は確実に進行して行くようです。
これが現実です。
来年の今頃はどうしているだろう。3年後は?5年後は?寝たきりになっているかもしれない。いえ、もうこの世にいないかもしれない。
頭の隅に追いやっていた思いが久しぶりに前面に出てきました。
考えても仕方が無い・・・・
そう、いくら考えても仕方がないのです。
それは分かってはいるのだけどねぇ・・・・・
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