朝帰りの夫は、不機嫌でした。
不機嫌と言っても、最近は怒りがないので救われます。
いつもの様に、不安そうなうろうろが始まりました。
ベランダでのうろうろは、約一時間続きました。
外へ出て行かない様に、手すりの柵の鍵をしっかりとかけて、後は家の中への脱出口をふさがないように、窓とカーテンをを全開にしておく事が、私が出来ることの全てです。
これ以上、出来ることはありません。
声を掛けても、顔を見せても、不安を鎮めることは出来ません。
下手な関わりは、却って不安を助長する様です。
それが分かったので、却って気分は楽になりました。
な~んにも、しなくて良いのです。
ベランダでうろうろする夫に、今日も秋の暖かい陽が降り注いでいます。
今日は、午後からヘルパーさんが来る日。
おかげで、私は、本当に楽に一日を過ごすことが出来るようになりましたが、唯一の贅沢な悩みは、いつものドライブに行く時間が、なかなか取れなくなってしまったことです。
今日もまた、素晴らしい秋晴れです。
こんな日は、なんとしても、いつものところに行かなくちゃ!
一時間うろうろして、少し落ち着いた夫に、「お出かけしようか」と聞いてみると、素直に、「うん」と言うお返事が返ってきました。
だいたい、一時間うろうろすると落ち着く、と言うのが、夫の体の中に組み込まれたリズムなのでしょうか。
ひさしぶりの「いつものところ」です。

ススキが揺れています。

賢いメグちゃんは、いつものところをちゃんと覚えていました。
でも、到着の少し前から、気持ちよさそうに眠ってしまった夫を起こすのは、もったいないので、そのままドライブを続けることにしました。
目を閉じている夫を乗せたまま、家の前を素通りして向かったのは、もう一つの「いつものダム」です。

紅葉にはまだ早いけど、駐車場には、沢山の車が止まっていました。


メグちゃん、ごめんね。
でも、一緒に「いつものところ」に来られただけでも、幸せだったね。
こちらは、夫にひけを取らない騒音が、
外から聞こえてくる交通だけが便利な街の中です。
ススキ いいですね!
緑に囲まれて、美味しい空気を吸って、一日のんびり
過ごしてみたいな~なんて
いつか、そう云う日が来る事を願って頑張ります。