夫は、年賀状をもらう事はあっても、自分から出すことも、お返事を書くことも出来ません。
病気だから当然です。
もっとも、病気になるよりも前から、そういうことに関しては、あまりマメではない夫に代わって、年賀状を書くのは、私の仕事となっていました。
親戚、友達、仕事関係、結構な枚数になります。
「自分の友達くらい自分で書いてよ。」
呆れて、そう言ったのが何年前だったのか・・・・・・
もしかしたら、目に見えぬ病魔が夫の脳を蝕み始めていた頃なのかもしれません。
そんな事はつゆ知らず、私は、夫に代わって年賀状を書き続けて来ました。
深く考えることもなく、何の疑問もなく、書き続けてきました。
現実に、文字が書けなくなってからは、当然の仕事として、書いていました。
今年。
例年通り、夫には沢山の年賀状が来ました。
どうしても書かなくてはならない先には、お返事を書きました
「どうしても」が付かない相手に書こうとした時に、手が止まりました。
去年まで機械的に書いていた相手の中には、夫との関係が分からない人も居ます。
2年ほど前、「この方はどなた?」と聞いた時には、時既に遅し、でした。
「書けなくなったから、代わりに書いてあげる」
から、
「書けなくなったんだから、書かなくて良いじゃない」
に、変わりました。
何故?
自分でも良く分かりません。
書けなくなった夫の名前を書く事に、ちょっとした抵抗を覚えました。
単に、もう、めんどくさいだけなのかもしれません。
出来ないんだから・・・・もう、良いじゃない。
何かが、少しずつ・・・・・終わって行きます。

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