夫がデイから戻ってくると、私はまず連絡帳に目を通します。
デイでの、ありのままの姿を書いてもらいたいと思いつつ、こんな文字を見ると、やはり、気持ちは暗くなります。
徘徊、介護拒否、暴力、暴言、不穏、混乱、怒り、大荒れ、イライラ、帰宅願望、険しい表情・・・・
最近は、「被害妄想的発言」なんて言うのもありました。
さぞ手のかかる問題児君なのでしょう。
でも、良い事、嬉しいことなども書かれています。
穏やか、明るい表情、笑顔、混乱なく、落ち着いて・・・・・
などの文字を見ると、ほっとします。
書かれた職員さんの名前は書いていないのですが、長くお世話になるにつれ、誰の筆跡であるかが、大体分かる様になりました。
昨夜は泊まりだったので、今日の連絡帳には、夜勤の方から始まり、4つの筆跡が残されていました。
「夕方、機嫌よく過ごされており、笑顔で迎えてくださいました。夜は良眠され、起きてからも穏やかに過ごされています。」
小さめの几帳面な文字は、マドンナさんです。昨夜も夫は、マドンナさんと二人きりの夜を穏やかに過ごしたようです。
「8時前、下痢症状がありましたが、腹痛などは訴えられておりません。入浴、再三お誘いするも、強い拒否があり実施できませんでした。」
薬や体調などのことを書かれているのは、看護士さんの筆跡です。
「午前、廊下を行ったり来たりされ、表情大変険しく、時々職員を突き飛ばしたりされました。昼食はスムースに召し上がられましたが、午後も、午前同様イライラご様子でした。14時頃より座って目を閉じておられました。」
この筆跡は、誰だか分からない。今日、夫に突き飛ばされた気の毒な職員さんは誰だったのだろう?
そして、4つ目の筆跡。
その筆跡は、間違いなく夫が大好きなIくんのものです。
ほとんど書くスペースが無くなっているのに、Iくんは、3つ目の筆跡に続けて、こう書いていてくれました。
「しかし、独り言で、『母さん、愛してるよ!!』と、言われてました。」
夫の、小さな独り言を聞き逃さないで、私に届けてくれたIくんに感謝!!
私もほとんど喋れなくなってきた一昨年の3月「お母さんの事はずっと大好きやった」と言ってくれた夫の言葉に介護しながら、いつも優しい妻でいることは無理なのに
そんなすべてを許して今の自分をまだ好きと言ってもらえたと言う事に大きな力を貰いました。時々思い出しては大丈夫夫は喜んでいると確信できます。momoさん
良かったですね。そしてそれを伝えて下さったIさん素晴らしい方です