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いつでも里親募集中

霧の晴れ間

3時過ぎに病棟へ入った時、夫は青いつなぎを着て歩いていた。



見慣れた訳ではないけれど、つなぎ姿を見ても、ショックを受けないまでになった私だ。


いつまでも、ショックを受け続けていては身が持たない。


人間の心とは、上手く出来ていると思う。





看護士さんが誘導してくれて、夫はいつもの椅子に比較的楽に座ることが出来た。


ティータイムの始まりだ。


袋を取り出すと、夫は直ぐに手を伸ばしてくる。


夫にとって、私は「美味しいものを持ってくるおばさん」なのかもしれない。


ストローを突き刺した大き目のカフェオレを手渡すと、一気に飲み干した。


次に、クリームが挟んであるカステラ風のお菓子を持たせると、直ぐに食べはじめた。


何口か食べた後、


「いいねこれ」と言った。



しゃべった!



私は、びっくりした、


まるで赤ちゃんが始めてしゃべった時の様に。


自分から、心にある思いを口に出すことが出来たのだ。


今日の夫の頭の中は、少し霧が晴れているのかもしれない。


試しにいろいろ語りかけてみた。


明らかに分かっている反応が返って来た。


Sの仕事が決まったんだよ。昨日から働きに行ってるの。


どこに?





お父さんの会社は、息子たちがちゃんとやってくれてるから、何も心配ないよ。安心してればいいよ。


それはいい




夫との「会話」は随分久しぶりだ。


分かっていない、と決め付けてはいけないのだと思った。




帰り際、鍵を開けてくれた看護士さんに、調子が良かったことを報告しようと思ったら、先手を打たれた。



「今日は、調子が悪くて、他の方と取っ組み合いをしてしまいました。引き離すと、床に座り込んでしまい、足で蹴る様な仕草をされました。ちょっと様子を見ることにします。」




頭の中の霧が晴れているとしたら、プラスの感情だけでなく、マイナスの感情も表に表れるのかもしれない。


ここはどこだ?目の前に居るあいつが気に入らない。


そんな思いがあったのだろうか。




あ~あ、せっかく良い日だったと思ったのに、


会話が出来た喜びを話すタイミングを失ってしまい、そのまま帰って来た。





霧の晴れ間があることが、本人にとって幸せなのかどうか・・・・



・・・・・・分からない。





コメント

よかったですね

お父さん、話してくれてよかったですね
看護婦さんは伝わらなかったかも知れませんが、ここに書いてくださって、うれしい気持ち、伝わりましたよこちらもうれしくなりましたよ。
いつも応援してます

たまさん

ありがとうございます。

共に喜んで頂いて、また元気が出ました。

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