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いつでも里親募集中

そのおじいさんの笑顔は飛び切りだ。


いつも、私の傍に寄ってきて、何がしかの挨拶をしていかれる。


ご苦労様、だったり、こんにちは、だったり、色々な言葉を最高の笑顔で語ってから、直ぐに去って行かれる。


自分の立ち位置はわきまえてますよ、と言わんばかりの行動には感服する。


今日は、そのおじいさんは、頭に黄色いおしぼりを乗せていた。


そんな光景、過去の夫で何度も見ているので、別に驚かない。


おじいさんは、また、ニコニコしながら私に近づいて来た。


「ご苦労様です。」


笑顔でねぎらって貰うと、私も癒される。


でも、今日のおじいさんには、もう一声があった。


隣に座っている夫に目をやってから、再び私のほうに視線を戻して、


「大変ですねぇ。お察しします。」と、最高の笑顔で言われたのだ。


その的を得た言葉に、思わず笑ってしまった。


おじいさんは、私が帰るまで、ずっと黄色いおしぼりを頭に乗せたままだった。


ここに入院していると言う事は、家族では看られない事情があったからに他ならないが、今の私にとって、あの飛び切りの笑顔は、なんとも羨ましい。




夫も、嘗ては最高の笑顔の持ち主だった。


今は、笑顔の指令を出す脳がほぼ破壊されたと見える。


でも、100%諦めるのはまだ早い。


ごくたまに、笑ってくれることがある。


今日、面会に行った時、夫は看護士さんに連れられて、廊下の奥から歩いて来た。


私は、両手を大きく振って、ここだよ、と合図をする。


夫は、遠くに立っている私を認めると、やはり両手を広げ、足早になって近づいて来る。


この瞬間が、一番好きだ。


まだ、分かってくれている、と思える。


そして、今日、そうして近づいて来た夫の頬が緩んだ。


間違いない。


笑ったのだ。


ほんの少しだけ。



私にだけ分かるモナリザの様な微笑だった。












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