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いつでも里親募集中

これから

この所、夫は安定している様だ。
面会に行って、最初に顔を合わせた時、頬が少し緩むのを、私は決して見逃さない。


看護師さんが座らせてくれて、甘いお八つとコーヒー牛乳を飲む。


私の語り掛けには、あまり反応しない。


無理に話しかけることはしないで、背中を擦り、手を握る。


夫は、自分のタイミングで立ち上がって歩き出す。


そうなると私はお役御免となる。


一緒に歩きたいと思えば手を繋いで一緒に歩くが、無理にそうする事もないと思う。


そんな面会時のリズムが出来てきた気がする。





と、言うことは、つまり、夫の調子が落ち着いて来たと言う事になるらしく、先日ワーカーさんから、一度ゆっくり話したいと言われた。





ワーカーさんの話は、やはり、次をどうするかと言う事だった。


この病院は、急性期の治療病棟なので、症状が落ち着いたら、いつまでも居座る事は出来ない決まりだ。




夫が入院して、4か月が過ぎた。


辛うじてトイレで用が足せていたのが、とうとうオムツになった。


普通の食事を食べていたのに、飲み込み易い形状に変わった。


もともと少なかった言葉数が、更に減った。


語りかけへの反応が鈍くなった。


こうして後退した事を書き連ねると、入院させた為に、僅か4ヶ月でここまで進んでしまった、とも考えられる。


ただ、こればかりは分からない。


あのまま在宅で居ても、今頃はオムツになっている可能性は大いにあったと思う。


気付かぬままに、普通の食事を食べさせていて、うっかり喉に詰めて大慌てをしていたかもしれない。


環境が変わる事によって、病気が進む可能性がある、と入院の時に念を押されていたが、この変化がどこまで入院によるものかは、分からない。


もう少し会話らしいものが出来ていたのに・・・


もっと反応があったのに・・・と言う思いは有る。


ただ、夫と我々家族の生活全般を見渡した時、入院させた事は正解だった。


あの、眉間にしわが寄った苦しそうな表情はなくなった。


自分の人生に絶望し、逃れられない苦しみにのた打ち回る姿は、今はもうない。


私も、夫と距離を置く事で、ずいぶん楽になった。


会う時は、いつも天使度100%で居られる。


それでも、家族だから、まして夫婦だから、慣れ親しんだ家で一緒に暮らしたい気持ちは、何ものにも勝る。







ワーカーさんは、そのあたりから話を進められた。


もう一度在宅で、と言うお気持ちはありますか?


はい、私は、出来るならそうしたいです。でも、息子は、それはもう無理だと言って反対していますが・・・


奥さまが、在宅でと言うお気持ちがあるのなら、ケアマネさんと相談して、実現出来るように考えます。


これからは、人生の最後のステージに入って行くかと思います。


私としては、最後に後悔を残してほしくない、と言う思いがあります。


試しにやってみる、と言う感じで良いのです。外出許可で、Nホームさんの世話を受ける事は制度上できないので、一旦、退院と言う事になります。


そして、まあ・・2・3日じゃあ分からないので、一週間とか二週間やってみて、やっぱり無理だと思ったら、またここに入院すれば良いのです。


ダメだったら、またこの病院が受け入れてくれるから、と言う事で、息子さんに話して見られたら如何ですか。





何ともありがたい提案だった。


是非ともこの話に乗りたかった。


ただ、ここで我が家の特殊事情を話さなくてはならない。



うちは、家族全員で同じ仕事をしていて、10月からの半年間がとても忙しくなります。息子の手は一切借りられなくなるし、私自身も、とても忙しくなります。


もう一度在宅でと言う思いはあるので、是非やってみたいとは思うのですが、あまり無理が生じるのも、どうかな、と言う思いもあります。


例えば、主人が戻って来た事によって、息子が凄く我慢しなくてはならないとか・・・・


私自身も、本当はしんどいのに、「私、在宅介護、頑張ってます!」みたいな自己満足とか、自分自身への言い訳になっても良くないし・・・


それに、主人にとって、家で過すという事が、良い事なのかどうか・・・?


家に戻る事で、穏やかに過ごせるなら良いですけど・・・・前回の外出では、やはり、家に戻って暫くすると落ち着きがなくなってしまいました。


私は、オムツ替えもしたことが無いので、果たして自分に出来るのかどうかも・・・・


それに、今は、何日かに一度、ほんの短い時間だけここで主人と会っているので、その間は精一杯のやさしい奥さんで居られますが、在宅で見るようになった時に、イライラする事もあるだろうし、いつもやさしい奥さんで居られるかどうか分かりません。


多分、息子が反対しているのは、そのあたりだと思います。


それなら、プロの目がある環境の方が良いのではないか、とも思ったり・・・・




話しているうちに、単に時期的な問題の他に、心の底にある不安がどんどん出てきた。



分かりました。在宅で看たいけれど、自信が無い・・と言う事ですね。まあ、自信がある方なんていらっしゃらないですけどね。


半年後のご主人の状態がどうなっているかが分からないので、もし在宅が御希望なら、調子が良い今がいいと思ったのですが、ご家庭の事情があるので、無理するのは止めましょう。




そう言われて、ちょっとほっとした自分がいる。


落ち着いて来たと言っても、やはり、今でもまだ、気に入らない事があると、怒ることもある。


他の人とぶつかって、喧嘩したと言う報告もある。


本当に、在宅が可能なのか、単なる希望や夢や憧れだけでは済まない話だ。


今回の在宅介護の話は、先に延びたが、と言って、このままここに居られる訳でもないだろう。



来年の5月頃まで、ここに居る事は出来ませんか?


5月ねぇ・・・一年経ちますよね・・・無理かもしれない・・・



・・・・・・・・・・・・



私が余程不安げに見えたのだろうか、ワーカーさんは言葉を繋いだ。



今日、明日に退院してくれって言ってるんじゃないんですよ。


療養型の病院とか、特養とか・・・・いろいろありますけれど、方向性を決めておかないといけないんです。


例えば療養型の病院に申し込んでも、実際に入れるのは2.3カ月先になります。





そして、次の行き先が決まるまでは居られると言う事なので、安心した。



過去でも、今でもそうだが、受け入れ先がないと言う不安は、とてつもなく大きなストレスとなる。






その後も、私たちは色んな話をした。


病気になる前の夫が、どんなに優しくて穏やかな人だったか。


入院に至るまでの、地獄の様な時期の話。


話は多岐に渡り、最後は看取りの話題にまで及んだ。



療養型の病院や特養は、看取りまでやってくれる所もあります。


積極的な治療を望む場合は、転院しなくてはなりませんが・・・・まあ、ご主人はまだ若いから、先の話ですけどね。




いえ、その事も考えています。


そう言う事態になったら、出来るだけ自然に逝かせてあげたいと願っています。


これは、息子たちも含めて、家族全員の意思で、また、主人が自分の思いを言えたなら、絶対にそう言うと思うのです。


ここから先、何回も転々と居場所を変わったりすること無く、次に行くところは、最後の看取りまでしてもらえるところを希望しています。








今の所、我が家は、その点に関しては意見が一致している。


ただ命を繋ぐだけ、の延命はしたくない。


でも、いよいよ、その時が来たら、自分がどんな気持ちになり、何を言うのか・・・分からない。


まあ、今は、そこまで考えなくても良いだろう。


「今」そう思っている、それだけでいいと思う。


その時が来たら、その時に考えれば良い。


「その時」が、ずっと先なのか、それとも直ぐそこなのかも分からない。


何もかも分からない。




分かりました。ゆっくりとお話しが出来て、お気持ちがだいたい分かりました。(次の行き先を)探してみます。



ワーカーさんと、思いかけず深いところまで話をする事が出来て、良かったと思う。


私は、最後にもう一度、自分の希望、夢、を伝えた。


来年の春か、夏辺りに、一度在宅へ戻る、と言う事が可能なら、是非一度試してみたいと思います。



そして、聞いてみた。


私の気持ちとか、家族の事情などを置いておくとしたら、主人にとっては何が一番いいでしょうね・・・・?


難しい質問だったのかもしれない。


ワーカーさんは、じっと考えて、言葉を選んで言われた。


家に戻ることを嫌がる人はいないと思います。


たとえ、自分の家であることが分からなかったり、家族が分からなかったりしても、長年暮らしていた空気とか匂いとか、何か落ち着くものがあるのではないでしょうか。


病院や施設のほうが良いと言われる方もありますけどね・・・


私は病院での仕事だけでなく、在宅の仕事もしていましたが、家に戻って、良い表情になられる方が沢山居られました。




これは、ワーカーさんの本音だろう。



と言っても、そうしなくてはならない、と言うことではないのですよ。



プレッシャーになるといけないと思われたのか、そう付け加えられた。





さあ、我が家も、そろそろ、次なるステージへの扉が開きつつあるようだ。



どうなるんだか・・・・・・











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