FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

私には、夫が二人いる。

一人目の夫は、若くして認知症を患い、入院中の夫。


この夫が、本物の夫であり、もう二度と元の生活には戻る事がない。


人間の最新の英知をもってしても克服する事が出来ない不治の病にかかってしまった、残念な夫である。


今生での私の夫は、この人であり、その現実を受け入れる以外の選択肢は、ない。


発病以来、10年近い歳月が流れ、私の手から離れてしまった今、その現実に抗う気持ちも、無くなった。


これが、私の夫。


これが、私たち二人の人生。


これが、私の運命。


何故、神様がこの運命を我が家に授けられたのかは、分からない。


理由があるかもしれないし、ないかもしれない。


もっともらしい理由を付けようと思えば、いくらでも作れる。


生きるに必要な勇気や元気の元となる為の理由付けだ。


でも・・・・


何だかそんな事、もうどうでもいい気分。


理由があろうがなかろうが、私の現実はこれだ。


これで、いい。


良くないけど、これで、いい。


良い訳じゃないけど、これしか、ない。


だから、理由なんか、考えない。


私の夫は、病院に居るあの人。


それが、現実。


それで、いい。


よくないけど、


それしか、ない。






そして、もう一人の夫は、私の心の中にいる。


最近、彼は良く夢で逢いに来てくれる。


すでに発病していて、私をがっかりさせることもあるけれど、「お父さん」と呼ぶには、申し訳ないくらい若いままで来てくれる事もある。


そんな時は、ドキドキする。


私は、アラ還のおばさんになってしまったのに。





もう一人の夫に逢えるのは、寝ている時だけではない。


先日、運転中にすれ違った車に、「彼」が乗っていた。


正確に言うと、雰囲気が似ている人が乗っていただけなのだが、すれ違うほんの一秒間、私の目は「彼」を捉えた。


運転が大好きだった「彼」は、颯爽とハンドルを握っていた。


また、ある時は、夫が愛用していた柄模様のセーターと、全く同じものを着ている人に出会った。


そこで私は、また「彼」と出会った。


過去の夫を思い起こさせる「何か」と出会った時、私の心の中で「彼」が瞬時に蘇る。


その感覚は、懐かしくも切ない。


何もかも捨て去り、ただただ、すがり付きたい思いに駆られる。








ここにいたの!








そう言って、その大きな背中に抱きつくことが出来たら、どんなに幸せだろうか。






でも・・・・・・


そんな事は、夢。


やっぱり、もう一人の夫に逢えるのは、夢の中だけなんだ・・・・・







私の夫は、今、病院に居る。



あの人だけが、私の夫。


それで、いいよね。


よくないけど、


それしか、ないよね。






あ、おとうさん

メグちゃん、ほんと?

いつものせーたー

ほんとだ、お父さんが好きだったセーターだ。

でもね、メグちゃんのおとうさんじゃないよ。

ちがうひと

知らないおじさんだね。

なんだ

メグちゃんのお父さんはどこにいるの?

びょういんにいる

そうだね。

へへへ


その笑顔、




大好きだよ。










コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |