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夫はまた、笑顔で私を迎えてくれた。


お正月に見せてくれた様な、奇跡の笑顔ではないが、明らかに顔が変わる。


日頃、看護師さんたちには、見せない表情らしい。


今年になってから、何故か調子が良い。


ゆっくりしゃべれば理解している、と、看護師さんが言う。










燦燦と陽が降り注ぐ窓際で、夫は「イチゴティラミス」を美味しそうに食べてくれた。


食べ終わった後は、いつも通り、私のおしゃべりタイムとなる。


そんなに新しい話題がある訳もなく、だいたいいつも同じ様なことの繰り返しとなるが、


先日、夫のお姉さんが来たので、その時の事を話すことにした。





お姉さんの息子のお嫁さんの実家が、特養を経営している。


場所も我が家から近い。


夫は、元気だった頃、冗談で「将来はSホームにお世話になる」と言っていた。


残念ながら、その冗談は、冗談では済まなくなってしまった。


数年前に申し込みだけはしてあるが、順番的な事と、夫の状態から、まだまだお呼びは掛からない。


お姉さんは言った。


「もし、入りたいなら、私からSさんに話してみようか。」










理解は出来ないだろうと思ったが、病気になった後も「Sホーム」と言う単語には、好意的な反応を示していたので、
お姉さんとのやりとりを話した。



そして、聞いてみた。


「Sホーム」に行きたい?


返事などある訳ないことは分かっていたが、そう聞いてみた。










夫は、予想外の反応をして、私を驚かせた。





彼は、首を左右に振って、


いい


と、答えたのだ。






「自分は、Sホームには行きたくない」


と、言う、夫のはっきりとした意思を感じた。


本当のところ、夫の真意は分からない。


ワーカーさんにこの話をしたら、こう言われた。


「この病気の方は、環境が変わることを嫌がられます。

御主人の中で、『Sホーム』と言う意識は、おそらくなかったと思いますが、今居るここから、何処かへ移動するのを『いい』と言われたのではないでしょうか。」


そうかもしれない。


きっとそうなんだろう。


夫の頭の中に『Sホーム』が残っているとは考えない方が、正解かもしれない。


ただ・・・・


私は、感じた。


夫の強い意志だと感じた。


病気が悪くなり始めの頃、「施設に行くくらいだったら死んだほうがまし」と言った彼の意思は、今なお生きている、と感じた。



この感覚は、間違っている方が、良いのだろう。


何処へ行っても、そこで安息が得られると、思った方が、楽である。





ただ・・・・・




私は、そう感じてしまった。






春になったら、夫を家に連れて帰ろう。




その思いを強く持った瞬間である。









かえってくる








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