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いつでも里親募集中

節分

病院のロビーに、いつものおじいさんが座っていた。
面会に行くたびに、出会うので、おそらくそのおじいさんは、ほぼ毎日面会に通っておられるのだと思う。



入院しているのは、奥様だ。



二人でL字形にテーブルを囲んで座り、広げられた小さなランチョンマットの上には、ペットボトルの紅茶と、何らかのお菓子が置かれている。



色んな話をしながら、仲良く二人でお茶をしているその様子は、初めて見た時はどちらが入院されているのか分からなかった程だ。



奥様も、普通におしゃべりしている。



「確定申告は済ませたの?」とご主人に尋ねている声が聞えて来た時は、ちょっとおかしかった。



ひとしきりのおしゃべりとティータイムが終わると、ちょっと椅子を移動して、御主人が奥様の後ろに回り、肩のマッサージが始まる。



奥様は、とても気持ち良さそうに目を閉じる。



毎回、毎回、同じ事が繰り返されている。



ほのぼのとした空気が漂う。



本当に仲の良いご夫婦だ。






そんな御主人が、今日は何故一人でロビーにいるのだろうかと、不思議に思いながら、病棟へ上がった。



訳が分かった。



インフルエンザに感染する人が増えたので、面会は暫く中止される事になっていたのだ。



「午前中に、急に決まったんです。御主人は罹っておられないんですけど、3日間位は、面会出来ないと思います。」



申し訳なさそうに言われる係りの方に、持って行ったお菓子だけ渡して、帰って来た。



先のおじいさんは、帰りのバスを待っておられたのかもしれない。



せっかく会いに行ったのに・・・・・残念。














と、これでこの話を終わりにしておけば、私も、先のおじいさんと同じく、せっせと面会に通う愛情深い良い奥さん風でいられるのに・・・・・



残念ながら、私は、そんなに良い奥さんではない事に気が付いた。



年が明けてから、ほぼ一日おきに面会に通っている。



最近は、奇跡の笑顔を見せてくれる事はなく、そんなに嬉しそうな表情をしてくれる訳でもない。



それでも、持って行ったお八つを全部食べてくれて、たまには「おいしい」とか「いいね」などと言ってくれる夫に会うのは、私にとって楽しみであり喜びである事は間違いない。



昨年の5月に入院して以来、たったの一度だけ家に連れて帰ったけれど、お祭りなどの例外を除いて、あとは一歩も病棟から出ていない。



せめて、好きなお八つでも持って行って、食べさせてあげたい。



その気持ちに嘘偽りは無いのだけれど、今回、病院側の都合で面会中止になった時、私の心の中で、「これで、少なくとも3日間は面会に通わなくて済む」と言う気持ちが湧きあがった。



なんだろう?この思いは。



本当は、面会に通うのが嫌なのか?



いや、そんな事はない。



変わってしまった夫に会いたくないのか?



それも違う。



誰に強制される訳でもないのに、せっせと面会に通い、そこに小さな小さな幸せを感じていた事に、決して嘘は無いんだけれど・・・・



病院側の都合によって、面会に行けない、いや、行かなくて良いことにほっとしている自分がいた。



これで、ちょっとの間休める。



そんな感じだろうか。



なら、そんなに頻繁に通わなくても良いのに・・・・



何故だか、「行かなくちゃ」と思う自分がいる。



そして、疲れる。






愛情深い奥さんを演じている鬼嫁・・・・だな。







この記事を書き始めたのが月曜日。



言われていた3日が過ぎた。



4日目の今日、病院に電話してみると、まだ面会解除にはなっていないとの事。



巷ではインフルエンザ大流行の兆しだ。



当分、行けないかも・・・・・・



そう思うと、無性に会いたくなって来た。



会いに行く場所があって、逢いにいける人が居る、という事がどんなに幸せなことかと思った。







何て、勝手な・・・・・・鬼だこと。



明日は節分。



病院の方を向いて恵方巻きでもかじりながら、この鬼を追い出しますか。








きえほうま



ある?













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