FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

朝から冷たい雨。


病棟の鍵を開けてくれたお兄さんが言った。


「ちょうど今、大きな声を出されていたんですよ。奥さんの顔を見たら、どうでしょうか・・・」


ふ~ん・・・・夫は、この病棟では、まだまだ困ったクンらしい。


でも、そう聞かされても、この頃の私は、怖くも無ければ戸惑いもなくなった。


私が行けば大丈夫。


そう思える。


そんなに容易く事が運ぶ保障など無いことは百も承知だけど、何故か今はそう思える。


思える間だけでも、そう思っておこう。


急いで手を洗って、夫の傍に行った。


お父さん、来たよ


顔を覗きこんでそう言うと、夫は直ぐに手を伸ばしてきた。


手を取って、正面から顔を見せる。


しかめっ面だった夫の顔が見る見る柔らかくなって来るのが分かる。


美味しいもの持ってきたから、あっちで食べようね


両手を取って何度もそう言うと、


よかった


そう言ってくれた。


良かったね


よかった


そして、僅かに笑った。


誰にも分からないほどの笑顔だった。




夫は、直前に、何らかの嫌なことがあって、大きな声を上げた。


職員さんは、きっとその場その場では、それなりに適切な対応をして下さっている事だと思う。


でも、沢山の人を看なくてはならない宿命で、大人しくなった夫は車いすに座らされて、一人で居た。


一人で車いすに座っていることしか出来ない。


そんな中で私が顔を見せた時、「救われた」と感じた。


自分だけを見てくれる人が来た。


普段とは違う今日の表情に、そんな事を思った。







歩いて面会コーナーまで行こうと思って、ベルトを外してもらうよう頼んだ。


お兄さんは、「(奥さんが来て)良かったね」と言いながら、ベルトを外してくれた。


そして、立ち上がらせようと腕を取った時、夫は露骨に嫌がる素振りを見せた。


以前から、どうも男性が苦手のようだ。






直前の夫の不穏が、随分酷いものだったのだろうか。


お兄さんは、「何かあったら直ぐに呼んでください。(看護ステーションから)見えるところにしましょう。」と言って、テーブルと椅子を引っ張ってきた。


そんなにしてもらわなくても大丈夫・・・・と思ったけど、せっかくのお兄さんの気遣いなので、素直に従うことにした。


お兄さんの心配は杞憂で、夫は、いつも通り穏やかにお菓子を食べてくれた。


このくらい、もうちょっと、みない、


今日のメモには、こう書くことが出来た。



食べ終わった後、立ち上がってお散歩をした。


そして、分かった。


夫の不機嫌の理由の一つ。


お尻の辺りが臭う


くちゃい




見渡して、一番優しそうなお姉さんに、引き渡してから帰って来た。










コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |