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いつでも里親募集中

それは、朝の着替えの時に起こりました。 ヒロくんは、着替えが苦手です。

元々とてもおしゃれで、自分が着る物は下着から上着、ズボン、靴下、帽子・・・・・全て自分が買って来て、自分がその日に気に入ったものを着る、と言う何とも手の掛からない旦那様でした。

私の父は、着るものは全て母任せで、「おい、今日は何着るの?」などと、大きな子供のごとく聞いていたもので、それに比べれば何て手の掛からない人だろうと、結婚当初驚いたものでした。


そんなおしゃれなヒロくんも、やはり病の進行には勝てず、素肌にお気に入りのセーターを着たり、Gパンの上にパンツを穿いたりして、私をビックリさせてからもう2年位経つでしょうか・・・・・


朝起きて、パジャマを脱いでから、ズボンを穿いて、Tシャツ一枚着るだけで良かった夏場が過ぎて、一枚二枚と着なくてはならないものが増えてくるにつれ、朝の着替えは憂鬱な時間となってきました。


もう、着るものを黙っておいておくだけでは事が進みません。「靴下穿いてね。」とか「次はズボン穿いて。」などの言葉をかけても、逆に混乱するようでダメです。

で、毎朝私がする事は、

まず、前後を確認してから、ヒロくんが手を通し易い角度で、下着のシャツを差し出します。ヒロくんは、大人しく両手を袖に入れて、それから頭を通します。

次に、ハイネックのシャツとセーターを同じ要領で着ます。

これで上半身が完成なので、次は下半身です。ズボン下のウエストのゴムの部分を両手で持って、ヒロくんに渡します。「穿いてね。」と言いながら。

時々は、シャツと同じ様に、手を入れようとするので、「これは、足にはくの。」と言わなくてはなりません。

無事に穿き終わると、次はズボンです。最近は、ウエストがゴムになっている防寒ズボンみたいなのを穿いて貰っています。う~ん、ちょっとおじいさんぽいので、多分お洒落なヒロくんとしては納得していない事でしょう・・・・・ごめんね。

ズボンを手にしてから、ヒロくんは時々、グルグルと回して前後を反対にしてしまう事がありますが、このズボンなら逆になっていてもあまり気になりません。

そこまで終わると、後は靴下を履けば完成です。かかとを定位置に入れる、と言うのが至難の業なのですが、最近は何故かちゃんと収まっています。


朝と言うのは、何故いつも気忙しいのでしょうか・・・・・ゆったりとした気持ちで、一つ一つ着替えをすれば何も問題は起こらない筈なのに、その日の朝も、私の心にゆとりはありませんでした。


中々思い通りに動いてくれないヒロくんに、私の口から出たこの言葉は、半分は冗談、残りの半分はイライラの吐き出しでした。





「Nホームさんだったら、若いお姉さんが優しく着せてくれるんでしょう・・・」





いつものヒロくんだったら、私がこう言うと「うん」とか「へへへ」とか言って笑ってくれる筈でした。その時も私は無意識にそれを期待して、冗談で事が流れて行くだろうと思っていたに違いありません。


でも、その時のヒロくんの顔を見た私は、今だ嘗てない程の大きな後悔をする事になりました。

ヒロくんの表情は、何とも言えない深い深い悲しみを湛えていたのです。



しまった!



言ってはいけない事を言ってしまった。TVに出てくる政治家の様に「取り消します。」と言って見ても、一旦口から出た言葉の取り消しなど出来る訳もありません。


「自分はこんな病気になってしまって、家族には本当に迷惑を掛けている。着替え一つでさえ、自分はもう一人ではできない。情けない。不甲斐ない。悔しい。でも、どうにもならない。」

こんなヒロくんの心の叫びが聞こえてきました。

ヒロくんは、本当に穏やかな性格で、病気になった事への悔しさや恨みなどを今だ嘗て一度も口にした事はありません。それをいい事に、私は今までヒロくん自身の心の叫びにあまり耳を貸してこなかったような気がします。

旦那様が若くして認知症になってしまった。それでも、明るく元気に生きている、そんな悲劇の妻を必死で演じて来ただけで、実際にはヒロくんの心にどれだけ寄り添って来たのか?


逆境にめげない元気で明るい妻と言う演出よりも、夫の傍に寄り添って涙枯れ果てるまで号泣する妻、この方がヒロくんにとっては慰みになるのだろうか・・・・・・・・


朝の衝撃を心の奥底に仕舞い込んで、その日も何食わぬ顔でデイに送り出したものの、私の頭の中は、そんな思いが迷走していました。


犬が居なくなって、やたら広くなってしまったリビングで、一人ボーっと過ごしていると、Nホームさんの送迎の車が坂を下ってくるのが見えました。

あ、もう夕方だ。帰って来た。迎えに出なくっちゃ・・・・

立ち上がった私は、多分「おかえり~!楽しかった?」と、いつも通りの元気な妻を演じるんだろうな・・・・・・




コメント

元気な奥さんを演じ続けることができるあいだはそれでいいのではないでしょうか。
泣いても、笑っても、現実は変わらないのだから・・・

とにかく1日1日を一生懸命生きていって・・・
もうこれ以上無理、となったら、また新しい道を模索する・・・

私が母の心に寄り添うことができたのは、預ける介護になって身体的に楽になってからです。
在宅の間は、やはり衣類を順番にわたして着てもらっていました。
それも、コミュニケーションだったのでしょう。
今では、懐かしい日々です。

奥さんが元気で明るくやっていければ、それはご主人様には救いになっていると思いますよ。

久し振りにおじゃまいたします。

うちは、今日の夕方...
出先から帰って来た主人が、いつまでも家着に着替えられず、寒いのに下着姿で うろうろ....

家着が置いてある場所を、言葉で教えるのですが
それがうまく伝わらないのか、理解できないのか...

わたしも、夕飯の支度をしながらだったものですから....

イライラ..がおさまらず..
やってしまいました....
いってしまいました....

最近このイライラが、多くてどっぷり自己嫌悪です
さっきから、ちと反省しながら どうしたら主人が
生活しやすい環境になるのかと あれこれ考えています。

まだまだ わたしの工夫次第で、なんとか平和に
暮らせるはずです。

気持ちが いっぱいいっぱいなのは、毎月恒例の
友人とのランチに今月は、まだいけてないからかも... 
なんて...こんな呑気なことを言っているうちはまだまだがんばれるはず...ですよ..ね? 

ではまた..おじゃましますね~

前出のコメントで、mikiさんは、介護のお仕事をされているのかと思っていましたが、そうではなくてお母様の介護をされているのですね。

「心に寄り添う」・・・・本当に素敵な響きです。

そうですね、泣いても笑っても現実が変わらないなら、やはり笑っていたほうが良いですよね。


おんせんたまごさん、お友達とのおしゃべりは何よりのストレス発散ですね。美味しいもの沢山食べて、一杯おしゃべりして、また明日へ向けてぼちぼちと頑張りましょうか・・・・

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