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一筋の涙

ヒロくんは、夜が好きではありません。 私達の世代がまだ子供だった頃は、今の様に24時間営業のお店なんてなかったし、夜は暗くて怖いもの、オバケが出るもの、と相場が決まっていました。


ヒロくんの頭の中は、もしかしたらそんな一昔前の「夜」が復活しているのでしょうか。それとも、夕食後のTVを見ている時間の長さに、単に疲れているだけなのでしょうか。


夕食後、寝るまでの時間をせめて「TVを見ている」と言う仕事を作らないと、身の置き場が分からない、「どうしていいかわからない病」です。

犬が居た時は、一緒に寝転がったり、話しかけたり、時には犬のほうから話しかけてくれたり・・・・
今更ながらに、クロちゃんシロちゃんの存在は偉大でした。

ヒロくんが眉間に皺を寄せて、じっとTVの方向を向いているのを見ていると、私も胸が苦しくなります。

やっと8時になりました。あまり早く床に入るのもどうかと思い、とりあえず就寝は8時を過ぎてからにしています。

「寝ようか。」

ヒロくんは黙って立ち上がります。歯を磨いて、オシッコして、パジャマに着替えてベッドに横たわり・・・・ここからヒロくんには一つだけ楽しみがあります。

好きなCDを聞くことです。加山雄三、いるか、中島みゆき・・・・・きみまろさんの面白スーパーライブももう何回聞いたことでしょうか。

私が10時か11時頃に寝に来るまで、ヒロくんが一人で居る間に音が途切れると、「どうしていいか分からない病」になるので、私はリピートボタンを押してから寝室を出ます。

出ようとしたその時・・・・・・「わるかったねえ」とヒロくんが小さな声で呟きました。

わるかった・・・?何の事?





その夜、ヒロくんは何回も目を覚ましました。一度はトイレに行ったのですが、その後も何回も体を起こし、周りを見回し、時にはベッドから降りて落ち着き無く動いています。

「どうしたの?」「ねえ、おとうさん、どうしたの?」一番良くない問いかけでしょうね。

「トイレはさっき行ったでしょう。」

「CD聞く?」私は、返事を待たずに、ボタンを押しました。

「あれ・・・」と言ってヒロくんが何か指差します。指差した先に私が見えるのは、たんすの上に置いてある、私の赤いバッグとヒロくんの野球帽、自治会で配られた防犯用の帽子なので緑の蛍光色が光っています。

「何も無いよ。まだ夜だから寝よう。」

ヒロくんは漸く横になってくれました。

朝、ベッドに寝ているヒロくんをそっと見ると、眉間に皺が寄っています。珍しい事です。朝は、大抵機嫌が良いことが多いのに・・・・・

そして・・・・・・一筋の涙が流れています。

なぜ?この涙の訳はなに?




「ぜんぜんねむれなかった。」と言いながら、ヒロくんはたんすの上の帽子を指しています。

「これが嫌だったの?」と聞くと、「うん」と言います。「じゃあ、隠しておこうね。」と、私は帽子をたんすの中に片付けました。

暗い夜に、蛍光色の帽子は、ヒロくんにとってどんな風に見えていたのでしょうか?暗闇に潜む、今にも襲い掛かってきそうな化け物にでも見えたのでしょうか・・・・?

私は、50年以上前のある夜を思い出しました。幼稚園児だった私は、枕カバーの柄がオバケの顔に見えて、怖くて怖くて、早く母が一緒に寝に来てくれないかと、じっと布団の中で一人息を潜めていたのでした。


でも・・・・ただそれだけではない、帽子が嫌だっただけじゃない。もっと他に何かがある。
分からないけど何かがある、と私には感じられます。

心の中には、沢山の想いがあるのだろうな・・・・言葉にして話したいだろうな・・・


「わるかったねえ」の本当の意味、一筋の涙の後ろにある真実、



私には・・・・・わからない。

コメント

ご主人の 言葉と 涙
なんだったのでしょう?
    
以前 うちの主人が 不眠症で 寝返りばかりうっていた時 私は思ったものです
「眠れないよー」と 甘えてくれればいいのに・・・
そしたら 子どもが小さかったん時にしたように 背中を とんとんしていてあげるのに・・・・ と!
それで 眠れるかどうかはわからないけど 私も一緒だよという 気持ちはわかるかなあ・・・と
   
主人はそうはしてくれませんでしたが
きっと 違うんだろうなあ・・・?

本人の思い

私たちは、病そのものは救ってやれない。
病ゆえの不安感が根底にあるのかもしれません。

本当のことはわからなくても、
わかってやりたい、と思う人がいてくれる。

それが、本人には1番の幸せなのだと思います。

心に寄り添う、と言う事ですよね。

始めましてアッコさま(ですよね)
ブログ村より検索してたどり着きました。
あなたのブログを読みますと、共感できることが一杯見つかります。
男女の違いはあるでしょうが、介護における苦悩とか向き合い方はとても似ていると思っています。
また一人頼りになるお友達みっけ!と言うような気持ちです。

私もまた若年性の妻と2人で生活しています。
年齢的にももう少し仕事を続けなければならない為、
ヘルパーさんデイサービス利用週5日でなんとか、仕事と介護を両立しています。
仕事に就いている時が介護から開放される時間・・・
正直そう感じることが多いですね。
一方的なコメになりましたが、またお邪魔します。

オパさん、はじめまして

コメント頂いてありがとうございます。奥様が同じご病気なのですね・・・・・

同じ立場の方と、ここでこうして会話している時間は、「孤独」を忘れる事ができます。自分だけじゃないんだ・・・何処かで同じ想いを抱いている方がいるんだ、と思う事で少しでも気が楽になります。

これからも、徒然なるままに綴って行くと思いますが、またどうぞお立ち寄り下さい。

奥様共々、お体お大事にお過ごしくださいね。

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