FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

蜜月

彼は、いつも同じ所で待っていてくれる。

こんなに、じっとじっと私を待っていてくれた事は、結婚以来初めてだろう。


もう、何処にも行かない。


いつも、いつも、ただ、私だけを待っていてくれる。


今日もまた、チュ!ってしてくれないかなと思ったけど、そう上手く行くはずはない。


痰が絡むと、眉間に皺が寄って、ちょっと苦しそうな顔をする。


最初の頃は、ちょっとゴロゴロしただけで、心配になって看護師さんを呼びに行ったけど、吸引するのも辛そうだし、もういいかな、と思って、そのままにしておくと、以外に上手に、自分でごっくんしている。


何か、食べれるんじゃないかと・・・贔屓目に見てしまう。



いっぱい、いっぱい、話しかける。


彼は、どんどんいい顔になってくる。


聞いている。


私の話を、確実に聞いているのが分かる。


しゃべることが無くなると、私は、至近距離でひたすら言い続ける。


お父さん、大好き。お父さんと結婚して本当に良かった。こうして、一緒に居るだけで、本当に幸せ。お父さんが、世界で一番好き。だ~い好き。


ほんと・・・個室で良かった。


誰も、見ていないよな。


誰も、聞いていないよな。


恥ずかしげも無く、良く言ってるわ、と、自分でも呆れる。


だけど、これが本心だ。


遠くない将来に、お別れしなくてはならない夫に、何度でも伝えておきたいのだ。


夫は、絶対に分かってくれている。


そう、確信している。


そして、聞いて見た。


お父さんも、お母さんの事が世界で一番好き?












そう










痰が絡んで、はっきりとは聞き取れなかったけど、確かにそう言ってくれた。


と、思う。


このまま、時が止まれ!


今、私は、夫に対して、未だ嘗て経験したことが無いほどの愛おしさを感じている。


やっと、ここまで来た。


静かに目を閉じた夫を残して、そっと病室を去る。






ワーカーSさんに、再び家に連れて帰ることを伝えた。


Sさんは、一瞬びっくりした様だったが、夫にこう語りかけてくれた。


「○○さん、良かったね。また、お家に帰れるんですよ。」


ただ、数日前からの酸素の低下と、治りきらない肺炎の見通しが立たないので、もう少し様子見となった。





あ~・・・・・早く、連れて帰りたい。






コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |