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いつでも里親募集中

明日

私もIさんも、口数が少なかった。


息子を入れて3人で、次の先生と会うためにH病院の待合室で座っている。


大体、こんな時は、色々とお話しながら時間を過すものだが、皆、口数が少ない。


私は、おしゃべりする元気が出なかった。


Iさんも、あまり話しかけてこない。


お互い、先日の爪黒先生(そう呼ばせてもらおう)から受けた衝撃がまだ尾を引いているのだと思う。


新しい先生に会うのに、ちょっと臆病になっている。


また、ダメだったらどうしようと言う思いだ。


今回もダメだったら、きっと私は在宅への気持ちが萎えてしまうだろう。


息子は、もう医者なしでやるしかない、死んだ時は警察を呼べば良い、と過激な事を言う。


IさんはIさんで、私を爪黒先生に引き合わせてしまった事を、凄く申し訳ないと感じておられる様だ。


そんな、それぞれの思いを抱えながら、じっと待っていた。


11時半に来てくれと言われて行ったのに、患者さんが一杯待っていて、全ての方が終わってからお話しするので、あと1時間位かかると言われたのも、気を重くするのに追い討ちをかけた。


ただ、この病院は、家から10分とはかからない所にあるので、一旦戻ってお昼を済ませ、1時に再び病院へ行った。


沢山居た患者さんは、誰も居なくなっていた。


直ぐに呼ばれて、ドキドキしながら診察室へ入った。


若い男の先生だ。


息子と同じくらいに見える。


印象は、先日の救急センターで、しっかりと私の話を聞いてくれた若い先生に似ている。


そして、話を始めてから暫くして、私は、このH先生には、爪黒先生とは違って、夫の最期を任せる事が出来ると感じていた。


点滴は、しなくてはならないものではありません。ご希望があれば、出来ます。

ご本人の様子を見ながら、相談してやって行きましょう。

最期までご自宅で看取るお気持ちはありますか?

いいんですよ、気持ちが変わったとしても、ここは病院なので、その時に入院も出来ますから。

もし、口から食べられなくなった時、ご家族としては、どの様にしたい、と言うお考えはありますか?



先生は、柔らかい口調で話し、私の想いをしっかりと聞いて下さった。


私は、今までどの先生にも散々話してきた事を、また話した。


ここまで10年間、認知症で苦しんで来ました。この先、機械につながれて生き長らえる事は望んでいません。

一日でも長く生きることではなく、最期の時まで、出来るだけ、痛み無く、苦しみ無く、穏やかに過して欲しいと言う事が、一番の望みです。

口から食べられなくなった時は、命を延ばすための点滴はして欲しくありませんが、点滴をする事によって、本人が楽に過せるなら、それはしても良いと思ってます。出来るだけ、自然に逝かせてあげたいと思います。





H先生が、私の想いを、直ぐに汲んで下さって、実際には、その場で相談しながらやって行きましょう、と言う事で、話はあっという間に纏まった。


診察室から出た私とIさんは、お互い安堵の表情で顔を見合わせた。


良い先生でしたね。


良かったですね。


これで、話しが決まった。







Iさんと分かれて、私はその足でK2病院へ行った。


明日の退院決定を伝えなくては。


病棟へ入ると、Sさんが居た。


私たちは、暫くの間、爪黒先生の話で盛り上がった。


金曜日の夕方、電話を受けたSさんも、土日の間、かなり嫌な気分を引きずっていたとの事。


そして、今度のH先生は、私の思いを汲み取ったやり方をしてもらえそうだと言う事を伝え、お互い、喜んだ。


いよいよ、再度の退院が明日に決まった。


今度は、どうなるんだか。






ところで、今日の夫の様子はと言うと・・・・・


いつもと変わらず、ベッドで横になっている。


午前中にお風呂に入ったそうだ。


車いすに座る時間になったらしく、お兄さん看護師さんが、一人で夫をベッドから車いすへと移した。


夫は、しかめっ面をして、怒った。


静かに寝ているのが楽で良いんだろうか。


そのまま、病室の中で、私は、車いすの夫と向かい合う形で座って、いろいろお話しした。


例の、夫が大好きな話題も振ったけど、今日はあまり良い顔にならない。


時々、手を振り上げて怒る。


○△◆#・・・・・・


そして、立ち上がろうとする素振りも見せる。


なんか・・・・・


凄く、元気になってないか・・・・?


看取り目的で連れて帰るのに、


なんか・・・・・


復活しそうな気配はないか・・・・?


夫の場合、元気になって元通り復活する事が、良いとも思えないが、目の前で元気に怒っている夫を見ると、もしかしたら、もう少し生きられるのかな、などと思ってしまう。


いや、余計な考えは止めておこう。


せっかく、夫の死を覚悟したのだもの。


またの仕切り直しは、しんどいぞ。





明日、連れて帰って、口から食べてくれるかどうか・・・・


全て、夫の選択に任せよう。




明日、迎えに来るから、お家に帰ろうね。


私の言葉が聞えたのかどうか・・・夫は、表情を変えずに、車椅子に座っていた。















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