梅雨時にしては、珍しい爽やかなお天気だった。
午後2時半、夫は、ストレッチャーに乗ったまま、介護タクシーで再度の帰宅を果たした。
道中は、とても大人しくしてくれていたので、楽だった。
フカフカのエアマットが敷かれたレンタルベッドに、順調に収まってくれた。
点滴も外され、余計なものは何も身体についていない、素のままの夫だ。

夕方5時、Iさんと、待ちに待った訪問看護師Oさんが来てくれた。
何を待っていたかと言うと、口からの食事だ。
Oさんに、吸引器の使い方を習い、簡単な口の中の吸引だけやった。
そして、いよいよお食事タイム。
ゴックン、出来るかどうかに、夫の命がかかっている。
用意しておいたOS1のゼリーを、小さなスプーンに少量入れて、口へ運ぶ。
夫は、威勢よく口を開けて、3週間振りに食べ物にありついた。
皆で、じーっと夫の喉を見る。
ゴックン
夫の喉仏がはっきりと上下に動くのが見て取れた。
感動の一瞬だった。
夫の命が繋がる瞬間を見た。
と、同時に、ほらね、やっぱり食べられたでしょう、と思った。
夫は、まだまだいくらでも食べられそうだったが、今日は初日なので、ほんの100cc程で、お食い初めはお開きとなった。
専門家の目が無ければ、もっともっと食べさせてあげたかったが、ここはぐっと我慢しよう。
慌てずあせらず、少しずつが良い。
明日からも、まだまだ山ほどの課題が出てくるであろう、再びの在宅介護。
ま、何とかなるわ。
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