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いつでも里親募集中

少しずつ

行きの車の中は、いつもドキドキする。


この2回、とってもお利口さんの夫に会えて、ほっとして帰って来ることが出来たのだが、今日もそうなるとは限らない。


きっと、ご機嫌は悪いぞ、そう言い聞かせながら運転するネガティブな私。


失望するのが嫌なのだ。


初めから悪いことを想像しておけば、ショックも少ない。


やっぱり、ネガティブさんだ。


ま、仕方がない。


これまでの経緯を見れば、誰かに責められる事もなかろう。





夫は、いつものベッドに横たわっていた。


あ、両手の拘束が・・・・ない。


それだけで喜べる自分が、ちょっと不憫でもある。


看護師長Jさんが、直ぐに来てくださった。


最近、調子が良い時間が増えてきたらしい。


夜、良く眠るようになった。


言葉が出るようになって、とてもタイミングよい返事が聞かれることがある。


もしかしらた、少しずつ増やしてきた薬の効果が出てきたのかもしれないと言われる。


いい感じだ。




確かに、今日の夫の頭は、霧が晴れている時が多いように感じた。


今日は、お八つにぶどうと梨を持って行った。


相変らず食用旺盛。


食べさせながら聞いてみた。


ぶどうと梨、どっちが好き?


りょうほう


出た!奇跡の言葉!


夫の頭の中は、半年前と同じ状態に戻ったのだろうか。





T(次男)がね、昨日山に行ってたんだよ。


どこへ?


白馬


返事しながら、奇跡だと思った。


夫と、会話が出来るなんて。




よかったね

つかれた

だいじょうぶ

ゆっくり



忘れないように、レシートの裏側に書いてきた言葉だ。






穏やかに過している所に、中断が入った。


オムツ替えだ。


この時間は、家族でも廊下へ出なくてはいけないことになっている。


退院直前は、見学させて貰っていたけれど、今はお任せでいい。


廊下で待っている私の耳に、大きな怒鳴り声が聞えて来た。


何回も、何回も怒ってる


車椅子からベッドへ戻る時、


つなぎを脱がされる時、


オムツを外される時、


お尻を拭いてもらう時、


また、オムツを着けられる時、


つなぎを着せられる時、


車椅子に戻してもらう時、


その全ての時が、夫にとっては不快で苦痛なのだろう。


何もしないで、どこも触らないで、と言う思いなのだろうか。



せっかく穏やかに過していたのに、残念・・と思ったけれど、病院でお世話になっている以上は、仕方がない。


車椅子の夫は、しかめっ面をしていた。


もう一度、ティータイムだ。


今度は、モンブランとぶどうジュース。


本当に、食欲はありすぎるほどある。


口から食べられる、と言うことは、嬉しい事だ。




その後、静かに観察してみる。


私が正面から顔を見せて、「お父さん」と呼びかけると、しっかりと目を見開いて視線が合う。


話しかけると、聞いている様に思える。


時々、自分の足やズボンをひっぱって、不快感を現わす。


「これは、お父さんの足だよ。」と言ってあげると、「そう」と言って落ち着く。


後半、しかめっ面が多くなってきた。


時々は、急に怒り出す。


外的に理由が無くても怒る。


大きな声をあげて、苦しそうな顔になる。


そんな夫の顔を正面から見ながら、私は言う。


大丈夫だよ。もうちょっと頑張れば、きっと楽になるよ。

お母さんが、いつも傍にいるから大丈夫。一緒に頑張ろうね。

直に、楽に過せるようになるよ。



楽になれる日が来るとは、思わないようにしているけれど、夫にはそう言う。


そして、夫のしかめっ面を見ながら、こう願う。


早く、早く、萎縮が進んで、この苦しみがなくなりますように。


病の進行を願うのは・・・・・どうなんだ?


だけど、今は、もう、そう願う。


とは言え、入院当初よりは、少しずつでも良くなっていると思える事はありがたい。




明日も、美味しいもの持って来るからね。



すっかり見慣れた、夫の眉間の皺を指で伸ばしてから、病室を出た。














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