FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

たまたま

何時もの時間に病室へ着くと、夫は眠っていた。

ベッドの背もたれを起こした状態で、とても安らかに眠っている。


いつもは、必ず眉間に皺が寄って苦しそうな顔をしているので、こんな穏やかな寝顔を見たのは久しぶりだ。


車椅子に移乗させるのももったいないので、暫くそのままにして寝顔を見ていた。


暫くすると、夫は目を開けた。


私を見て、分かったのかそうでないのかは、もう分からないけれど、良い顔で反応してくれた。


○○☆☆##!!・・・・・


と、言葉にならない言葉を発した。


それは、ふざけている時、おどけている時の表情だ。


本日、何故だか絶好調。


直後にオムツ替えのワゴンを引っ張って、職員さんがやって来た。


せっかくのご機嫌に水を差される様な気がしたけど、そこは仕方がない。


集団生活のルールには従わなくてはならない。


廊下に出て待っていたけれど、調子が悪い時に聞えてくる大きな喚き声は聞えない。


オムツを替えてもらい、車椅子に移してもらって、夫は病室から出てきた。


調子の良さは続いている様だ。


良かった。


いつもの様に、持って行った飲み物とお八つをパクパク食べる。


食欲の秋、そのものだ。


暫くの間、穏やかな夫との時間を堪能した。


いろいろ話しかけた。




よかったね、

いいよ、

だいじょうぶ、



夫は、時々、こんな単語を返してくれるが、もう、殆ど全ての言葉を失ってしまった。


分かってるな、会話が出来た、と思える時間は、ますます少なくなってきた。


だけど、言葉がなくても、こんなに穏やかなら、それで充分だ。


秋の陽が穏やかに差し込む窓辺に車椅子を持って行って、夫と並んで座った。


もう、あまり話しかけない。


時々目が合うと、最高の笑顔をプレゼントしてあげる。


夫には、どんな風に映っているのだろうか。






でも、こんな穏やかさは、長くは続かない事を私は知っている。


30分ほど経つと、また何時もの様に、眉間に皺が寄って来た。


やっぱりね。





でも、短い時間だったけれど、たまたま、こんな穏やかな時間に面会に行けた奇跡に、感謝しよう。



コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |