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火災報知機

昨日の話。
ベッド上で、眉間に皺を寄せていた夫は、車椅子に移してもらうと、穏やかさを取戻した。


そりゃ、24時間拘束されていたらご機嫌で居られる訳無いよね、と捻くれた感情が沸くけれど、夫の場合は、そんな単純ではない事も分かっている。




病棟内に、救急隊員の人たちが入ってきて、ベッドで寝ている誰かが運び出されて行った。


何があったのだろうか。


その様子を横目で見ながら、夫をホールに連れて行った。


今日も調子は良さそうだ。


お八つを食べ終わって、廊下をお散歩しながら、私は作業療法士のお姉さんの動きを目で追った。


また、歩かせたいと願う。


タイミングを見計らって、お姉さんに近づく。


こないだ歩いた後、大丈夫でしたか?


そんなところから話題を振る。


あ~、全然、大丈夫ですよ。今日も歩いてみますか?


歩かせたいですね。


こうして、夫はまた立ち上がって歩くことになった。


ただ、その頃から夫の眉間には、皺が寄ってしまった。


せっかく穏やかだったのに、残念だ。


だけど、夫は、お散歩行こうか、と呼びかけると、すくっと立ち上がり、歩き出した。


支えて歩きながらお姉さんが言った。


骨折が怖いんですよ。さっき運ばれて行った方も、骨折なんですが、転倒したとか言う訳ではなくて、はっきりとした原因が分からないんです。

立ち上がっただけで骨折する場合もあるんですよ。



お姉さんは、夫を歩かせることによる骨折を心配されているらしい。





その時、病棟内に、大きなサイレンが鳴り響いた。


うーうーうー


館内放送が流れてくる。


「本館二階で火災が発生しました」



え?


本館二階、ってここですよね?


私は少々焦って、周りを見回したけれど、煙など上がっていない。


誰か火災報知機を押したのかな。


お姉さんは、冷静だ。


念のため、直に夫を車椅子に戻したけれど、結局はお姉さんが言う通りだったと見えて、直に何事も無かったかのように動き出した。


もし、実際に、ここで火災が発生したら、どうなるんだろう。


とても、連れ出せないですよね。


私は、定員50人の病棟を見回して、思ったままを言ってしまった。


連れ出すしかないんです。


お姉さんはそう言った。



大変だぁ~



ただでさえ大変なのに、この上、地震、火事、災害など襲ってきませんように、と願いながら病棟を後にした。



ドアの前で見送ってくれた夫の眉間には、皺が寄ったままだった。





わすれないでね
絶対忘れないよ






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