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いつでも里親募集中

幸せ?

Hさんに出会うのは、随分久しぶりだった。

昨年、3ヶ月ほど、同じ病棟で過していたHさんの奥様は、その後どうしておられるのだろうかと思いつつ、退院された後は、お目にかかる機会はなかった。


ほぼ一年振りにお会いした85歳のHさんは、以前とちっとも変わらない良い姿勢で車から降りてこられた。


ユーモアのセンスも健在で、その穏かな笑顔は、周りをほっとさせる力を持っている。



奥様は、退院後、療養型の病院に移られたそうだ。


今は、口から食べられなくなって、胃ろうをしている。


話すことは出来なくて、自分が行っても、大抵目を閉じている。


看護師さんが大きな声で、「御主人が来られましたよ。」と呼びかけると目を開ける。


看護師さんは、「ほら、御主人が分かるんですよ。」と言われるけど、大きな声に反応しただけだと思う。


もう、ただ、傍に居ることしか出来ない。




そんな話を聞いて、とても驚いた。


ほんの一年前には、穏かな笑顔があり、羨ましいほどお話しをされていたのに。



そして、Hさんは言った。


男はね・・・奥さんに看取られないとだめですよ。


男が一人残されると、何にも出来ない。


ご主人は、幸せですよ。









夫が私のオムツを替える。


私が夫に殴りかかる。


忙しい仕事の合間に、夫がせっせと病院に通う。


そして・・・最後は、夫が一人残される。


そうでなくて良かったのかもしれない。






じゃあ・・・・


夫が認知症で良かったのか?


いやいや、今の夫は、私の何百倍も何千倍もの苦しみを背負い込んでいる。


私は、夫が認知症に冒されてしまった悲しみや苦しみを背負って生きていかなければならないが、それでも、それ以外の人生を生きて行く事が出来る。


充実した仕事を成し遂げる遣り甲斐、

可愛い孫の顔を見られる喜び、

会いたい友達に会いにいける楽しみ、

食べたい物を食べたい時に食べられる楽しみ、

その気になれば、自分のやりたいことは何でも出来る。

自分自身の創意と工夫で、まだまだこれからの人生を、自分で組み立てる事が出来る。




だけど・・・・夫は、自分の人生なのに、もう何一つ自分で生きることが出来ない。


50代の初めから、そんな人生を強いられている。


例え、私に看取られる幸せがあるとしても、そこに至るまで、何万倍もの苦しい人生を過さなくてはならない。


苦しい、助けてくれ・・・・一生懸命そう伝えたかったのだろうが、その表現すら、椅子を倒し、テレビを落とし、カーテンを引きちぎる事でしか現すことが出来なかった。





Hさんは言った。


「ご主人は幸せです。」


以前、ワーカーのSさんにも言われた。


「私は、御主人をちっとも不幸だとは思いません。それは、病気にならないほうが良かったに決まってますが、入院させたが最後、ちっとも面会に来られないご家族も居ます。

ご主人は良い家庭を築いて、良い仕事をしてこられて、こんなに奥様から愛されて、ご主人は、幸せだと思います。」




幸せ?


夫は幸せなんだろうか?







唯一、死の恐怖を感じないで死んでゆける病気が認知症らしい。


だから、人は、


「認知症は神様からの贈り物」と言う。



だけど、私は絶対に違うと思う。


介護する方は、塗炭の苦しみをなめながら、それでも生きてゆかなくてはならないから一歩一歩前に進む以外にない。


そして、介護される方は、その何百万倍もの辛苦をなめている。


私は、今でも、あらゆる条件が整ったら、夫と二人でこの世から消え去りたいと願っている。


そんな条件は絶対に整わないから、無理だけど。







今も、殆ど毎日面会に通っていると言われるHさん。


その、とても穏かな笑顔の裏側の苦しさ悲しみが、私にははっきりと見える。







寒風の中、一人歩いて帰られるHさんの背中が、悲しかった。





027.jpg
メグちゃんの回想



コメント

 こんにちは momoさんのがんばりすごいです。でもくれぐれも 無理しないで下さいね。私は自分が体を悪くして 初めておばあちゃんを 施設にあずけました自分がどこにいるかもわからないなか 頑張って待ってる って聞くと不憫で涙が出ます でも おばあちゃんを送ってからでなければ...と頑張れる様なきがします。 メグちゃん幸せでよかったね。でもメグちゃんのお陰でパパもママも幸せだって おまけにおばさんもね    (笑)   ありがとね              

44E355 さん

おばあちゃん、施設に入られたのですね。

今日、夕方行って来ました。隣の席で、一人のおばあちゃんと娘さん(orお嫁さん)が、小さな声を合わせて童謡を歌っていました。

温かくも切ないメロディに涙が出そうでした。私も、夫を見送るまで、頑張らなくては。あ、あとメグちゃんも見送ってからでないとね。これは、長生きしなくっちゃ。

44E355 さん、どうぞお体お大事に、お過ごし下さい。

私もです。
四肢麻痺で寝たきりの旦那を置いて死んだら
息子達に墓にも入れてもらえないかもしれません。
まぁ、墓に入れなくてもいいですが。。。

ご主人が幸せかどうかなんて、誰にもわかりません。
幸せかどうかは、ご本人が決めることです。
でも、そのご本人が自己判断できない以上 そして想いを聞くことができない以上
考えても仕方のないことだと思います。


まっちさん

こんにちは。

周りの方の、「ご主人は幸せです。」と言う言葉は、私が少しでも楽になれるように掛けてくださる言葉に違いないので、深く考えずに、ありがたく頂いておくことにしています。


本気で、主人の様な人生が幸せで、自分もそうなりたいと思っている人は、いないでしょうね・・・・

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