FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

お年玉③

無理やり感満載だけど、三つ目のお年玉について書く事にしました。 明日から仕事が始まるので、時間を気にせずゆっくりと面会ができるのは今日が最後、と思い行って来た。


「時間を気にせずゆっくり」出来るにも関わらず、結局はいつもと同じ様に1時間ほどで帰る事になる。


食べるものを食べさせ、話すことを話し終えると、他にすることがない。


外にお散歩にでも行けると良いけれど、この季節は無理。


「おめでとうございます。あなた、良く来てるね。偉いね。初詣は行きましたか?あ、まだ。明日くらい行くのですか?そうですか、じゃあ、ごゆっくり。」


そう言って車椅子で立ち去って行ったあのおじいちゃん位、夫がおしゃべりしてくれたら、もっとゆっくり滞在するんだけどなぁ・・・・残念


言葉を失っても、穏かでさえいてくれればそれで良い。


その思いに嘘はないけれど、実際の所、夫と会話が出来ないのは、この上なく淋しい。


トンチンカンな受け答えでも良いから、何らかの言葉のやり取りが出来たら、どんなにか救われるだろうと思う。






いつものお八つコースが終わった後、私は少し休憩することにした。


今年還暦を迎える私だけれど、今のところ自分でも呆れるほど元気だ。


風邪も引かない。


寝込んだことも無い。


とは言え、長年の疲れは溜まっていると感じる。


いきなりドタッと来ないか心配だ。


休める時には休みたいと思う。





優しい陽が差し込む窓際のフカフカのソファに座る。



少し休むね。


そう言って、目を閉じた。


車椅子を傍に置いて、万一動き出しても分かるように、夫の膝に手を当てておく。


車椅子に座っている夫は、いつも足を動かしている。


上下運動が多いけど、たまに靴をパンパンと打ち合わせる左右の動きもある。


夫の膝の上に置いた私の手は、細い足の筋肉の動きを捉えている。


こんなに筋肉が動いているから、もう一度歩けるようになるかもしれない、などと思った。





精神病院の病棟ではあるが、ホールとは区切られた場所で、他の患者さんは誰も居ない。


窓から差し込む柔らかい陽射しが暖かく、家よりもずっと豪華でフカフカのソファに座っていると、気分は安らぐ。


本当に眠ってしまう訳には行かないけれど、私は気分良く目を閉じていた。





しばらくして・・・



トントン



誰かが私の背中にタッチした。


ん?


それは夫の手だった。


夫に起こされた事が何だか嬉しくて、私は夫の傍に寄った。


なに?お母さんが寝てたら淋しいの?何かお話ししたほうが良い?


夫は、小さく頷いた。(様に見えた)




私を起こしてくれた夫の手。


これが、3つ目のお年玉だ。


ちょっと無理がある?












コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |