FC2ブログ

プロフィール

Author:momo


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


FC2カウンター


フリーエリア

いつでも里親募集中

独り言

夫が若くして認知症になってしまった事は、人生最大の悲しみではあるが、だからと言って、それで私の人生の何もかもが終わってしまった訳ではない。


確かに、ここ数年、こんな毎日だから、生きて行くのは何てしんどいんだろうと思うことが多い。


でも、生きていれば、苦しいこと悲しいことがある反面、嬉しいこと楽しいことも一杯ある。


嬉しい事は、そのまま嬉しいと感じるし、楽しい時には、心から笑う。


その事実に、何一つ嘘はないのだけれど、ここでもう一つ、別の感情が沸きあがる。


あ~あ・・・この喜びを夫と一緒に分かち合えたら、どんなに嬉しいだろう。


この場に、夫がいたら、どんなに喜んだだろう。


嬉しそうに微笑む夫の顔が目に浮かんでくる。


嬉しいけど・・楽しいけど・・


嬉しければ嬉しいほど、楽しければ楽しいほど・・・・・


それに比例して、淋しさが着いて来る。


あ~あ・・・・・やっぱり・・・・私は・・・・一人だ・・・・。


楽しみの渦中で、私の心の中にそんな想いが去来する瞬間があることは、誰も知らない。


「一人」などと言うと、あちこちから反論が来るかもしれない。


母から、息子たちから、兄弟から、親戚から、お世話になっている沢山の方々から。


私と夫は、そんな周りの沢山の人たちに支えられて今日まで生きて来た。


これからも、そうだ。


感謝一杯である。


だけど・・・・・・


私の傍には、夫がいない。


いても・・・いない。


共に喜びを分かち合う事が出来る夫が、


いない。


だから、私は・・・一人。
















今日の夫のご機嫌はどうだろう。


決して期待してはいけない。


と、思いながら面会に行く。


車椅子で連れてこられた夫は、私を見つけると両手を伸ばしてきた。


出だしは、まあまあだ。


いつもの通り、ティータイムとなる。


最近は、果物と薄いおせんべいと熱い緑茶を持って行く。


何を持って行っても、食欲旺盛だ。


食べ終わると、することは何も無い。


殆ど毎日行っているので、新しい話題などない。


今日の夫の表情は、とても穏やかだ。


語り掛けても、返事は無く、じーっと前を見ている。


「お父さん」と呼びかけると、視線を合わせてくれるので、しっかり聞えているのが分かる。


両手を振って笑いかけても、返してはくれない。


でも、とても穏かな顔なので、今日は上出来だ。






特別に話題が無いので、私は勝手にしゃべりだした。


夫に話しかけているつもりではなく、独り言だ。


その時感じたままを口にしていた。



あ~、こうして、お父さんと一緒に居る時が一番落ち着くわ。

やっぱりね・・お父さんが居ないとつまらないわ。

なんかね・・・楽しいこととか一杯あるし、仕事も充実してるんだけどね・・・・

お父さんがいないと、なんか物足りないんだよね。

お母さんは、一人ぼっちなんだよ。

もう一回、一緒に暮らしたいねぇ・・・

良い事とか別に何にもなくていいから、いつもいつもこうして二人で一緒にいたいね。

お母さんはね、お父さんと一緒にいる時が一番幸せなの。

お父さん、長生きしてね。一人になったら淋しいからずっとずっと長生きしてね。

昔、約束したでしょ。一緒に死んで、ダブルの棺桶に入ろう、って。

覚えてる?





夫は、じーーっと私を見ている。


話しに耳を傾けている様にも思える。


タイミングよく頷いてくれたりもする。


ふと、分かってるのかな?・・と思った。




お母さんはね、お父さんと一緒にいる時が、一番幸せなの。



もう一度、そう言った時、




へへへ・・



夫が笑った。


もしかしたら、本当に、分かっているのかもしれない、


そう思った。




お父さんもお母さんと一緒にいる時が一番幸せ?



答えなど期待していないけど、そう聞いてみた。


すると、


そう、そう


夫が、大きく頷いた。




全てが偶然なのかもしれない。


偶然でも何でもいい。


私は、夫と一緒に居る時が、一番安らぎを感じ、幸せに浸る事が出来る。





ただし・・・・今日みたいな穏かな夫、と言う条件付だけど。






コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |