昨日、相談員のOさんと3時に落ち合った。
Oさんと会うのは、3月1日のお
引越しの日以来初めてだ。
Oさんは、開口一番、
「私は1時頃に来たのですが、今日はとっても良いお顔をしておられましたよ。」
と言われた。
そう聞くだけで嬉しい。
私は、事前にOさんに、この3週間の様子を、出来るだけ詳しく教えて欲しいとお願いしておいた。
私の目から見て、夫は病院にいても、このホームにいても、大きな違いは無いように見える。
良い時は良い、悪い時は悪い。
それは全て夫の脳が決める。
拘束されているから不穏、と言うレベルは通り越していると思える。
私が会うのは、週に3,4日、せいぜい一時間程でしかない。
その時、たまたま調子が良いとか、悪いとか言っても仕方がない。
現場で夫のお世話をしてくださっている職員さんの話しが聞きたかった。
Oさんは、7枚の用紙を渡して下さった。
そこには、この3週間の夫の様子が、担当の職員さんによってびっしりと書き込まれていた。
Oさんは言った。
初めのころより、ずっと落ち着いて来られたと言うのが、現場の職員全員の感想です。
職員もご主人様との接し方に慣れて来たし、ご主人様もここの雰囲気に慣れて来られたのだと思います。用紙には、抵抗無く世話が出来た事が書かれているかと思えば、抵抗があって出来なかった、とも書かれている。
穏かで笑顔が出たと書いてある時もあれば、不穏状態の時も。
うん、そう、すき、ありがとう、などの発語があった事も書かれている。
大体、想像通りだ。
Oさんが夫に会う時、穏かな顔の時が多いと言う。
私は、これまで眉間の皺を拝む時の方が多い。
良い表情になっても、大体1時間程で、眉間の皺が復活する。
Oさんと一緒に、4階のホールに上がってみると、TVの前に居る夫の背中が見える。
どんな表情をしているか、いつもドキドキしながら、正面に回る。
Oさんが、良いお顔を確認した1時から、もう2時間以上経っているので、きっとまたいつもの顔に戻っているだろうと思いながら、夫の顔を見た。
ところが、夫はまだ良いお顔を維持していた。
調子が良いと見える。
とても嬉しい。
その後、Oさんと4時半頃まで話していたが、その間も、夫はずっとずっと穏かな顔をしていた。
こんなに長い時間、良い顔が続くのを見たのは初めてかもしれない。
そして今日も、3時頃に面会に行った。
夫は、若いお兄さんにお八つを食べさせてもらっている所だった。
黒糖饅頭に麦茶、私が冷蔵庫に入れておいた果物のゼリーが2個、置かれていた。
夫の食欲は相変らず素晴らしい。
病院を出る時、最後に測った体重が45Kだと言われた。
元々細身だけど、身長176cmを思うとあまりにも軽すぎるので、悲しかった。
昨日、Oさんに聞くと、48Kだと言う。
3K増えていた。
嬉しかった。
そして、何より、今日も穏かな顔をしていたのが、とてもとても嬉しかった。
ホールでは、おばあちゃんたちが、何か手作業をしていたので、お部屋に入って、音楽を聴いたり、TVを見たりして過した。
お八つを食べ終わったばかりなのに、私が持って行ったリンゴとメロンも完食。
常備のポタポタ焼きも食べる。
穏かな顔は続いた。
ほんのちょっと頬も緩んだ。
手拍子も出た。
絶好調だ。
いつもは、眉間に皺が寄ると逃げる様に帰って来るのだが、今日は最後まで良いお顔だった。
エレベーターの前で、お見送りして下さった職員さんが、夫の穏かな顔を見て、
「優しいお父さんだったんでしょうね。」と言われた。
ええ直にエレベーターが来たので、それだけしか答えられなかったのが残念だった。
夫がどんなに優しい人だったのか、話す事は山ほどあったのに。
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